[ニューヨーク 1日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は1日、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、FRBのバランスシート縮小について、「現在の縮小ペースを変更することは検討していない」と述べた。
保有資産の状況について、パウエル氏は、縮小が実体経済の借り入れコストに与える影響は小さいとみられ、「現時点で準備金が不足に近いと主張するのは難しい」との見解を示した。
FRBは2会合連続で利上げを見送った。パウエル氏は、金利政策は「会合ごとに」判断することになるとしたが、おそらく「サイクルの終わりに近づいている」とも認めた。
利上げを終了するなら保有国債・住宅ローン担保証券(MBS)の満期償還と再投資縮小を通じた月1000億ドル弱の資産縮小の停止も検討するのではないか、との観測が高まっている。
FRB幹部は、バランスシートの縮小は利上げを補完する措置だと繰り返し説明している。しかし、バランスシート縮小は一部FRB当局者の想定よりも早く終了する可能性があると推測する市場関係者が増えている。
鍵となるのは、短期金融市場から過剰流動性を吸収する金融調節手段であるリバースレポだ。リバースレポの規模は長い間、1日当たり2兆ドルを超えていたが、数週間前から急速に減少しここ数日は1兆ドル強で推移している。
リバースレポによる吸収が完了ないし落ち着けば準備金が減少し始め、保有資産圧縮終了の道が開かれると考える向きがFRB内や民間アナリストの間で一定数いる。
FRBは、市場流動性を十分確保し、短期金利をコントロールするために、準備金を十分な高水準にしたいという立場だ。クリーブランド地区連銀のメスター総裁は最近、バランスシートの縮小はあと1年半─2年続くとの見方を示している。
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2023-11-02 04:09:03Z
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