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アルトマン氏、解任5日でCEO復帰…オープンAI従業員の9割超の反発で方針転換 - 読売新聞オンライン

 【ニューヨーク=小林泰裕】「チャットGPT」を開発した米オープンAIは22日、サム・アルトマン氏(38)が最高経営責任者(CEO)に復帰すると明らかにした。17日に事実上の解任が発表されてからわずか5日で復帰が決まり、社内の混乱は収束に向かうとみられる。しかし、今回の問題は同社のガバナンス(企業統治)の不備が露呈した形で、改善されるかは不透明だ。

 オープンAIがX(旧ツイッター)の投稿で明らかにした。投稿によると、オープンAIは取締役会を刷新し、元ツイッター会長のブレット・テイラー氏が会長に就く。元米財務長官のラリー・サマーズ氏も取締役に加わる。AIの収益化などを巡る路線対立から、アルトマン氏の解任を主導したとみられているイリヤ・サツキーバー氏の名前はなく、退任する可能性がある。

 米ブルームバーグ通信によると、取締役には最大9人が新たに選任される見通しで、提携するマイクロソフト(MS)も取締役を派遣する公算が大きい。オープンAIは、今回の退任劇の内部調査を実施することでも合意した。アルトマン氏はCEOに復帰後も当面の間、取締役会には参加しない方向だという。

 アルトマン氏は22日、「オープンAIに戻り、MSとの強力な関係を構築することを楽しみにしている」とXに投稿した。

 オープンAIは17日にアルトマン氏の退任を発表したが、従業員の9割超がアルトマン氏の復帰と取締役の退陣を求める署名に賛同するなど反発が広がり、方針転換を余儀なくされた。

 混乱は沈静化しそうだが、非営利組織が営利組織を監督するというオープンAIの特殊な経営体制は今後も、根本的な問題として残る。営利組織に出資する大株主のMSは現状、非営利組織の経営に直接関与できない。今後もAIの収益化や安全性確保などを巡る対立が起きる懸念もある。

 MSのサティア・ナデラCEOは22日、「取締役会の刷新は、効果的な経営体制への一歩となる」とXに投稿し、新たな経営陣との関係強化を図る方針を示した。今後、MSがオープンAIのガバナンス強化に乗り出すことも視野に入れているとみられる。

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2023-11-22 13:20:00Z
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