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ドル・円133円後半、米CPI控え方向感欠く-植田氏発言が円の重し - ブルームバーグ

東京外国為替市場のドル・円相場は上昇し、一時約1カ月ぶりの高値となる134円台を付けた。米国の金融政策に影響を与え得る3月の消費者物価指数(CPI)の発表を控え、様子見ムードは強いものの、株価が上昇する中で投資家心理が改善している。対欧州・オセアニア通貨での円売りが優勢だ。

 
  • ドル・円は午後1時12分現在、前日比0.1%高の1ドル=133円86銭。ここまで133円56銭を安値に一時134円05銭と3月15日以来の高値まで上昇
  • ユーロ・円は0.3%高の1ユーロ=146円25銭。一時146円35銭と昨年12月16日以来の高値水準

  みずほ銀行の鈴木健吾チーフマーケットストラテジストは、「米CPI待ちの中、実需のドル買いや株高を受けたリスクセンチメントの改善に伴う円売りでクロス円の買いがドル・円を押し上げたのではないか」とみている。また、日本銀行の植田和男総裁が10日の就任会見で、現行の金融政策の維持を表明したことも「根っこでの円売り安心感につながっている」と話した。

YCCとマイナス金利は継続適当、現状維持の姿勢示す-植田総裁

  円はここまで韓国ウォンを除く主要15通貨に対し下落しており、ほぼ全面安となっている。

米CPI待ちの中、ドル・円は一時134円台に

  三菱UFJ銀行の鈴木悠太調査役(ニューヨーク在勤)はクロス円の上昇の背景について、11日に日経平均株価が一時2万8000円を回復し、原油先物も81ドル台に乗せるなど「全体的にリスク選好度が強まった中でユーロ・円やポンド・円、スイスフラン・円が年初来高値で引けた」点を挙げた。

  米CPIで上下に振れやすいドル・円を避け、日銀総裁発言後の円売り安心感や利上げバイアスの残る欧州通貨の強さが注目されていると鈴木氏は言う。

  3月の米CPI総合指数の市場予想は前年比5.1%上昇と、2月の6%上昇から伸びが鈍化する見込み。コア指数は同5.6%上昇と、2月の5.5%上昇から小幅に拡大する見通しだ。

  スタンダードチャータード銀行の江沢福紘フィナンシャルマーケッツ本部長は、米CPIの市場予想に比べ強ければ135円の心理的節目を試す公算はある半面、弱ければ132円割れがあり得ると予測。「総じて弱い経済指標が続いている中、インフレ鈍化のストーリーは急変しづらい。上振れでもドル・円の上値は限定的になりそうだが、下振れた時にドル安の動きが強く出そうだ」と述べた。

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2023-04-11 23:09:00Z
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