東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=133円台後半で推移。前日は日本銀行の植田和男新総裁が現状の金融政策を継続する姿勢を示したことによる円売りに加え、前週末の雇用統計で利上げの織り込みが進んだことを受けた米国金利の上昇やドルの買い戻しが約1カ月ぶりの高値水準に押し上げた。
きょうも引き続き、ドル買い戻しの動きや植田総裁の発言を受けた円売り安心感でドル・円は底堅い流れが続きそうだ。
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三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットの土井健太郎主任調査役は、海外市場の動きについて「先週金曜日が半日取引で強い米雇用統計を受けたドル買い戻しの流れが続いたほか、植田新総裁の会見での政策変更やタカ派的な示唆を期待していた向きの円売り戻しでドル・円は買われた」と指摘。植田総裁の会見では現行政策維持の可能性が高くなり、円売り安心感につながったとみている。
日銀の植田新総裁は10日夜の就任会見で、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策とマイナス金利政策について、いずれも継続が適当との見解を示した。
10日の米国債相場は下落した。7日公表の米雇用統計が堅調な内容だったことを受け、金利スワップ市場では5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での0.25ポイント利上げの織り込みが7割に上昇。雇用統計前には年3回を見込んでいた利下げ織り込みが2回程度まで後退した。
米債利回りは幅広い年限で上昇し、金融政策見通しに対する感応度の高い米2年国債利回りは3ベーシスポイント(bp)上昇し4.01%付近、景気見通しに対する感応度の高い米10年国債利回りは3bp上昇の3.42%付近となった。
三井住友信託銀の土井氏は「過去の利上げ局面終了の経験や米2年国債利回りの水準、経済指標も景気後退懸念が意識されやすいことから考えると、現状の利下げ織り込み度合いは正当だ」と言う。しばらくは年末に向けて2回程度の利下げ織り込み付近での推移が続くとみられ、「ドル買いのエネルギーは落ち着きやすくなる」と述べた。
土井氏はきょうのドル・円について、12日の米消費者物価指数の発表を前に、連休明けの欧州勢の参加で前日からの流れがどこまで続くかがポイントと指摘する。
目先は「昨年10月高値と今年3月高値を結んだ下降トレンドラインが134円50銭付近にあり、上値のめどになりやすい」と分析。一方、きょうの終値で日足・一目均衡表の基準線や3日高値(133円76銭)を超えると、「チャート形状がダブルボトムになり、200日移動平均線を試す流れも意識されていくだろう」と話している。
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2023-04-10 22:44:00Z
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