西谷が初の1位に-。26日に公表された神奈川県内住宅地の公示地価で、相鉄線西谷駅周辺(横浜市保土ケ谷区)が上昇率トップとなった。以前は各駅停車のみ止まる駅だったが、2019年の相鉄・JR直通線開業時から全列車が停車するようになり、昨年3月には相鉄・東急新横浜線も開業した。地価の割安感は依然あるが、変わらない駅周辺の状況に不満の声も多い。
西谷駅南口徒歩3分の場所にある商店街の「西谷商栄会」。1位となった調査地点は、同商店街のある西谷3丁目付近で、変動率は前回から7・8%増のプラス13%に。1平方メートル当たりの価格も、前回22万3千円から25万2千円に上昇した。
相鉄不動産販売の担当者は「(新横浜線の)開業後、地縁がない人からの問い合わせが増えている」と話す。都内の家賃10万円以上の賃貸住宅に住んでいた単身者が西谷でマンションを購入するなど、取引件数も増加している。
都内勤務の子どもがいる40代の男性会社員は、川崎市中原区の武蔵小杉エリアで新築一戸建てを探していた。だが高額な上、狭小住宅ばかりで購入をためらっていた。同社では西谷エリアを紹介。男性は、同額の予算内で土地を購入し、一戸建ての注文住宅を建てたという。
新たな人流が生まれつつあり、まちも活気にあふれているのか-と思いきや、現実はそうではないようだ。
「鉄道が通っても、(まちは)何も変わらないね」。西谷4丁目に住む80代女性は、ため息交じりに語る。「昔はもっと商店があったけれど、今はほとんど閉まっている。スーパーのマルエツに行くのも遠くて大変」。犬の散歩中の西谷3丁目在住の70代男性は「お店は閉まっていても、奥に人が住んでいるので、取り壊すこともできない」。駅周辺のチェーン店といえば、コンビニやファミリーレストランぐらいだが、実家に帰省していた40代女性は「いまだにマック(マクドナルド)もできない。子どもとゆっくり過ごせるようなカフェもない」と嘆いた。
再開発、進まないのはなぜ?
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2024-03-26 12:58:16Z
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