【NQNニューヨーク=矢内純一】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比429ドル39セント高の3万4408ドル72セント(速報値)で終えた。朝発表の5月の小売売上高が個人消費の底堅さを示し、米景気への過度な悲観が薄れた。米長期金利が低下したことも高PER(株価収益率)のハイテク株の買いを誘った。上げ幅は一時500ドルを超えた。
5月の小売売上高は前月比0.3%増と、市場予想(0.2%減)に反して増加した。4月(0.4%増)から伸びが鈍化したものの、米国の金融引き締め長期化観測があるなかで景気の底堅さが意識された。
欧州中央銀行(ECB)は15日の理事会で、8会合連続の利上げを決めた。米国も金融引き締め局面にあるが、「人工知能(AI)などの投資テーマがある米国株に欧州株から資金が移ってきている」(インガルズ・アンド・スナイダーのティム・グリスキー氏)との指摘が聞かれた。
米債券市場では長期金利が前日終値(3.79%)から3.7%台前半に水準を切り下げた。金利の低下で相対的な割高感が薄れたハイテク株に買いが入った。ダウ平均の構成銘柄では、ソフトウエアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルが買われ、いずれも上場来高値を更新した。
工業製品・事務用品のスリーエム、建機のキャタピラーなど景気敏感株が買われた。前日に急落した医療保険のユナイテッドヘルス・グループも高かった。一方、スポーツ用品のナイキ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスは小幅安だった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は6日続伸し、前日比156.344ポイント高の1万3782.821(速報値)で終えた。
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2023-06-15 20:03:49Z
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