29日の東京外国為替市場のドル・円相場は一時1ドル=144円台後半に上昇し、昨年11月以来の高値を連日で更新した。欧州中央銀行(ECB)フォーラムで日米中央銀行総裁の発言から金融政策格差が再認識され、ドル買い・円売りの圧力が根強かった。日本の通貨当局による介入警戒感が重しになっているものの、この日は円安けん制発言も出ていない。
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外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長は、「今のところ円安けん制発言が出ておらず、じわり円安方向に戻している」と指摘。円独歩安の流れの中で、ドル・円が「145円をまだ超えられていないのはひとえに介入警戒のためだ」と話した。
パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は28日のECBフォーラムの討論会で、7月と9月に連続利上げの可能性を示唆した。一方、日本銀行の植田和男総裁は来年インフレが上向くことが確信できていないとして、現行の金融緩和策を維持する姿勢を示した。神田氏は、「タカ派度合いではパウエル議長が目立っており、ドルが全面高の展開だった」と言う。
政府・日銀が昨年9月に円買い介入を行った1ドル=145円台に接近したことで、引き続き金融当局の円安けん制が警戒されている。神田真人財務官は28日、円安が一段と進んでいることについて「高い緊張感を持って注視している」とした上で、「行き過ぎた動きがあれば適切に対応する」と述べた。
ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリストは、「為替介入への警戒感が続いているため、一方的にドル高・円安を進めていくほどでもない」と指摘する半面、「口先介入の効果も出にくくなっており、145円に向けた警戒感が高まっている」との見方を示した。
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2023-06-28 22:08:00Z
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