中国の消費者物価上昇率は4月に加速した。消費者物価の前年同月比プラスは3カ月連続。一方、生産者物価の下落は続き、同国経済の需要低迷を浮き彫りにした。
国家統計局が11日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.3%上昇。3月は同0.1%上昇だった。ブルームバーグ集計のエコノミスト予想中央値は0.2%上昇。
4月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比2.5%低下と、19カ月連続のマイナス。3月は2.8%低下、予想中央値は2.3%低下だった。
製造セクターに回復の兆しがみられ、輸出は堅調だったものの、デフレ圧力が中国経済を引き続き脅かしていることが示唆された。
不動産不況と雇用市場低迷のなか、家計支出を後押しする中国政府の取り組みは難航している。生産者物価の下落は企業利益を圧迫し、投資意欲を減退させている。中国総商会が小売業者2万社強を対象に最近行った調査によると、労働節の連休中に客足が伸び、総売上高は増えたものの、平均受注額は過去9カ月で最も縮小した。
ジョーンズラングラサールの大中華圏担当チーフエコノミスト、ブルース・パン氏はこの日の統計は「経済の勢いと社会的需要が引き続き回復している」ことを示したとした上で、「しかし、モノとサービス、生産段階と消費段階では価格にまだ大きな構造的乖離(かいり)がある。政策支援を強化し、効果的に実施する必要がなおある」と指摘した。
消費者物価上昇の一因は需要の改善というよりむしろ行政の決定かもしれない。地方政府はここ数カ月、公共料金や電車賃を値上げしている。これは物価指数上昇につながり得るが、その一方で家計の購買力を圧迫する可能性がある。
原題:China Consumer Inflation Rises, Factory Price Drop Continues (1)(抜粋)
(背景やエコノミストのコメントを追加して更新します)
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2024-05-11 04:04:01Z
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