ウォール街で誰もが買い手である時に懐疑的であることの危険性を学ぶには、5カ月前にエヌビディア株のバブルを警告したロブ・アーノット氏が良い例になる。
リサーチ・アフィリエーツ創業者の同氏は、わずか1年で株価が4倍になったエヌビディアの極端なバリュエーションを挙げ「大いなる市場の妄想の典型」と呼んだ。
しかし、同氏が昨年9月に警告して以来、「バブル」はさらに8000億ドル(約120兆4000億円)ほど膨らんだ。今や最大のリスクは取り残されることだ。
「絶好調のバブル株を空売りしてはいけない」とアーノット氏は最近語った。「しかし、必ずしもバブル株を所有しなければならないということではない」とも述べた。
ウォール街は、ほんの一握りの高バリュエーション銘柄が上昇をけん引することのリスクを意識していないわけではない。しかし、世界で最も価値のある半導体メーカー、エヌビディアが21日に期待をはるかに上回る決算を発表した後、人工知能(AI)ブームは誰にも見逃せないものとなった。
大手ハイテク銘柄の空売りはほとんどない。アナリストの目標株価は急上昇している。ヘッジファンドから個人投資家に至るまで、ポジショニングはより積極的になっている。
データプラットフォーム、マップシグナルズのチーフ投資ストラテジスト、アレック・ヤング氏は「弱気に根拠があるなら、これほどの大企業がこれほどの動きになることはない」と話した。
アクティブ運用者にとって、S&P500種株価指数やナスダック100のようなハイテク株指数の上昇の勢いに乗らなければならないというプレッシャーは日増しに強くなっている。ナスダック100の株価収益率は30倍を超え、売上高に対する倍率は5倍に達した。1990年代後半のドットコムバブルとその直後以外でほぼ前例のない数字だ。
大型ハイテク株「マグニフィセント・セブン」の急騰は、空売りの増加を伴っていない。JPモルガン・チェースのストラテジスト、ニコラオス・パニギリツオグル氏の推計によると、空売り残高は発行済み株式のわずか1%にまで減少し、少なくとも2015年以来の低水準で推移している。S3パートナーズの分析によると、22日のエヌビディア株の16%上昇は、空売りをしていた投資家に約30億ドルの損失をもたらした。
届け出によると、ヘッジファンドの間では、マグニフィセント・セブン銘柄の保有比率がまた上昇した。個人トレーダーも、新型コロナウイルス時代の取引ブームをほうふつとさせる強気オプションへの需要で、動きをけん引している。
記録的な上昇のさなかでも、エヌビディアは23年半ば以降、収益成長のおかげでバリュエーションが縮小している。
好決算と前向きな見通しを受けて、アナリストはエヌビディアの株価目標を引き上げた。ブルームバーグがまとめたデータによると、平均は約863ドルとなり、現行水準から9%以上の上昇を示唆している。ローゼンブラット証券は目標株価を現水準より75%余り高い1400ドルとした。
バンリオン・キャピタル・マネジメントのシャナ・シッセル最高経営責任者(CEO)は「エヌビディアがうまくいかない可能性を積極的に探しているが、成功ストーリーに本当の穴を見つけるのは難しい」と語った。「650ドルで買っておけばよかった」と付け加えた。
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原題:Bubble Hunters on Wall Street Crushed as AI Trade Conquers All(抜粋)
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2024-02-25 07:01:58Z
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