4月15日、ドコモは6月から適用されるという新しい料金プラン「ギガライト」「ギガホ」を発表した。基本料と通信料が最大で4割安くなるというものだ。代わりに、端末の購入補助になる「docomo with」と「月々サポート」が終了となる。
これらは総務省が進める「分離プラン」義務化に対応するもの。携帯電話料金の高止まりや、MVNOを含む市場競争が停滞していることなどが問題視されており、利用者としては「最終的に料金は安くなるのか?」という点がもっとも重要だろう。しかし、発表された新プランに目新しさはなく、値下げになっているのかさえ分からない中途半端なものだ。今回は、「分離プラン義務化」による影響と課題について考えてみたい。(ITジャーナリスト・ライター 中尾真二)
● 政府も認識するモバイル市場の課題
分離プランの話は、もともと総務省の情報通信審議会の中で生まれたものだ。情報通信審議会は、通信に関するさまざまな問題を検討し、政策等に反映させる枠組み。
3キャリア寡占による通信料金の高止まり対策、MVNOを含む競争市場の促進、直営を含む販売店の適正化、不明瞭な通信料の割引をセットにした包括プランといった業界の課題について、作業部会「モバイル市場の競争環境に関する研究会」を組織して議論を重ねている。研究会は、2018年秋に分離プラン等の提言、2019年1月には中間報告の中で分離プランと販売店の適正化案をとりまとめた。
問題があると指摘されたのは、包括プランによる端末購入補助金。これは、端末を頻繁に買い替えない長期利用者の通信料が原資となっている。購入補助と解約金をフックにした過度な囲い込み契約が、消費者の選択肢を狭め、MVNOの競争を阻み、料金も下がらないとしている。別の言い方をすれば、「通信事業者は、高額な端末(しかも多くが海外製)を売るために通信料に不公平な割引を設定しており、それは公共性の高い認可事業者として問題あり」ということだ。
政府も通信料金の是正、競争による市場の適正化が必要という立場をとっている。2018年8月に菅官房長官の「携帯料金は4割下げられる」という発言がそれを示している。
多くの世帯が、毎月数万円を通信料金(通信事業者への支払い)に充てている。それが国内経済で循環すればいいのだが、サービスプラットフォームはGoogleやAppleなどがメインで、端末市場はApple、サムスン、ファーウェイなど、外資が抑えている。政府としては、通信費の「エンゲル係数」を下げたい、浮いた分を他の消費に振り向けてほしいと考えるのは当然だ。
● iPhoneなどハイエンド端末は売れなくなるのか?
分離プランでは、特定端末購入と連動した通信料割引ができなくなる。通信料から端末購入のための補助要素が排除されるため、端末の割引幅が限定される。
そのため、iPhoneやGalaxyなどハイエンド機種が売れなくなると危惧する向きがある。中期的には5G端末への影響も小さくないだろう。今回のドコモの新料金プランは、すでにauやソフトバンクが導入しているプランに追従したものといえる。表面的には、キャリアの料金プランが横並びになった形だが、ドコモで2年ごとにiPhoneの新機種に切り替えてきた人は、購入スタイルの変更が余儀なくされそうだ。
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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190421-00200419-diamond-bus_all
2019-04-20 21:02:50Z
52781674906511
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