【台北=伊原健作】電子機器の受託製造サービス(EMS)世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長(68)が17日、2020年1月の総統選に出馬する意向を正式表明した。対中融和路線の国民党からの出馬を目指す。郭氏は事業の中核を置く中国の政財界との関係が深く、仮に総統となれば、対中安全保障の要である米国との関係維持が課題になりそうだ。
郭氏は17日午後に台北市内の国民党本部での式典であいさつし、「(総統選出馬に向け)党内の予備選に参加する」と宣言した。仮に予備選に落選した場合は「国民党の公認候補を全力で応援する」と述べた。同党はこの日、党員の貢献をたたえる「栄誉賞」を郭氏に授けるとして、急きょ式典を開いた。
鴻海は米アップルのスマートフォン(スマホ)などの生産を担い、年間売上高は19兆円規模。郭氏は一代で同社を築いた台湾を代表するカリスマ経営者だ。16年に買収したシャープの経営にも影響力を持つ。
同社は主力生産拠点のほとんどを中国に置く。郭氏は直近は米での投資を積極化し、トランプ大統領と個人的な関係を築いてきたが、中国の政財界とはそれ以上に長く深いつながりを持つとされる。通商や安全保障で中国と対立を深める米国は台湾に接近していただけに、郭氏が総統になればその関係維持が課題になりそうだ。
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https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43843480X10C19A4FF8000/
2019-04-17 07:56:00Z
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