円急落、１ドル＝１５０円台 ３２年ぶり安値更新 - 産経ニュース

円安が進み１ドル＝１５０円台となったことを示すモニター＝２０日午後、東京都中央区（松井英幸撮影）

２０日の外国為替市場で円相場が急落し、一時１ドル＝１５０円台を付け、バブル景気終盤の円安局面だった１９９０年８月以来、約３２年ぶりの安値水準を更新した。ドルに対する円の価値は２０１１年に付けた戦後最高値の１ドル＝７５円３２銭と比べると、ほぼ半減した計算。政府・日本銀行が９月２２日に為替介入を実施してから１カ月足らずで１０円近く円安が進行し、急激な円売りの流れを押しとどめられない。

１９日に米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）高官による金融引き締めに積極的な発言が相次いだほか、英国の９月の消費者物価指数（ＣＰＩ）が４０年ぶりの高い伸びとなり、米欧の主要中央銀行による利上げが長期化するとの観測が強まった。米長期金利が高水準をつけたことで円売りが加速し、１５０円の大台を突破した。

記録的なインフレを抑制するためＦＲＢが大幅な利上げを続ける中、日銀は大規模な金融緩和を維持する姿勢を崩さず、日米の金利差拡大で運用に不利な円が売られている。米国がドル高を容認していることもドル買いを後押ししている。

９月２２日の為替介入直後は一時１４０円台前半まで円が急騰したが、既にその効果が消し飛んでおり、円売りは勢いを取り戻した。

鈴木俊一財務相は２０日の参院予算委員会で、円安ドル高の流れについて「急速で一方的な円安の進行は望ましくない。過度な変動には今後も適切な対応を取る」と述べ、再度の為替介入をちらつかせて投機筋を牽制（けんせい）した。市場では政府・日銀が秘密裏に円を買う「覆面介入」を実施しているとの見方がくすぶり、円売りの速度を一時的に鈍らせてはいる。ただ、積極的に円を買う材料がない状況は変わらず、円安の流れは続く。

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2022-10-20 07:46:19Z
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