米ツイッターがイーロン・マスク氏の買収合意履行を求めて提起した訴訟で、デラウェア州衡平法裁判所の判事は6日、両者が28日午後5時までに取引を完了できるよう裁判の停止を決定した。マスク氏はこの日、今月審理が始まる予定の裁判の一時停止を求めていた。
同裁判所のキャサリーン・マコーミック判事は28日までにマスク氏とツイッターの取引がまとまらない場合は11月に審理日程を設定すると説明した。
テスラ最高経営責任者(CEO)のマスク氏は3日、ツイッター宛ての書簡で当初条件の1株当たり54.20ドルで買収を再提案。ただその前提条件として「デラウェア州衡平法裁判所が直ちに一時停止」の措置を取り、「審理など全ての手続きを休止」することを挙げていた。
一方、ツイッターはマスク氏の裁判停止の申し立てに異議を唱え、来週中にマスク氏が取引をまとめることは「可能であり、またそうすべきだ」と主張していた。ツイッター株は6日の米株式市場時間外取引で一時3.5%高となった。
6日の提出文書でマスク氏の弁護士らは今月28日前後にツイッターとの取引がまとまる見込みだとコメントした。
しかし、マスク氏とツイッターの買収交渉は暗礁に乗り上げている。マスク氏の総額440億ドル(約6兆4000億円)での買収提案がデットファイナンスによる調達資金130億ドルの受領を条件にしていることが一因だと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
マスク氏の弁護団はツイッター宛ての3日付けの書簡で、「デットファイナンスによる調達資金の受領」後に当初条件の1株当たり54.20ドルで買収を進める意向だと伝えていた。当初の合意にはこのような条件はなかった。
マコーミック判事の決定を受け、ツイッター法律顧問のショーン・エジェット氏は同社スタッフへの最新情報提供のメモで、17日の審理開始はなくなったことを伝えるとともに、決定に従って28日までの取引完了を目指す方針を説明した。メモの内容をブルームバーグが確認した。
マスク氏とツイッターは4月に買収案で合意したが、マスク氏はその後、偽アカウントなどに関するツイッターからの情報提供が不正確だと主張。7月に買収合意を一方的に破棄した。それ以降、合意の履行を求めるツイッターとの間で法廷闘争に発展していたが、マスク氏は3日の書簡でツイッターに買収を再提案した。
原題:Twitter Trial Against Musk Is Halted to Allow Deal to Close (2)
Twitter Trial Against Musk Is Halted to Allow Deal to Close (1)(抜粋)
(買収交渉に関する情報を追加して更新します)
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2022-10-06 22:39:00Z
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