21日夜から22日未明にかけて一時、1ドル=144円台まで7円以上、円高ドル安が進む場面があり、政府・日銀がドルを売って円を買う市場介入に踏み切ったとみられます。今後の政府・日銀の対応に市場関係者の警戒感が一層高まっています。
外国為替市場では日本時間の21日夜、海外の取り引きで円売りドル買いが加速し、円相場は一時、1ドル=151円90銭程度まで値下がりしました。
ところが日本時間の午後11時半すぎに、円相場は突然、円高方向に振れ、およそ2時間で1ドル=144円台半ばまで7円以上、変動しました。
政府・日銀が急速な円安に歯止めをかけるため介入の事実をあえて明らかにしない、いわゆる「覆面介入」でドル売り円買いに踏み切ったとみられます。
その後、外国為替市場で円相場は、1ドル=147円台後半まで値下がりしましたが、今回の市場の動きについて政府・日銀から今のところ公式な発表はありません。
政府・日銀は、先月22日におよそ24年ぶりにドル売り円買いの市場介入を行っています。
鈴木財務大臣は、投機的で行き過ぎた円安の動きには再度の市場介入も辞さない姿勢を繰り返し強調し、21日も「過度な変動に対しては適切な対応をとるという考えにいささかも変わりはない」と述べていました。
今後の政府・日銀の対応に市場の警戒感が一層高まっています。
専門家 “さらなる介入は驚きだが効果は限定的”
そのうえでワインバーグ氏は「円安には日米の金利差が大きいことや貿易収支が赤字であること、日本経済があまりうまくいっていないという3つの理由がある。市場介入はこれらの問題を解決しないので、今回、介入したとしても、短期的で限られた効果しか期待できない」と述べました。
また、ワインバーグ氏は「通貨を買い支えるための市場介入を無制限に続けられるとは思わない。円安の解消は市場介入ではなく、日本経済の根本的な変化によってもたらされると思う」と述べ、日本の本格的な経済成長力が必要になるとの見方を示しました。
市場介入なら9月22日以来に
9月22日、日本時間の未明にアメリカのFRBが大幅な利上げを決めた一方、日銀は大規模な金融緩和を維持したことで、円安が急加速。日銀の黒田総裁が記者会見で「当面、金利を引き上げることはない」と発言すると、円相場は1ドル=145円台後半まで値下がりしました。
しかし、アメリカで大幅な利上げが続くという見方から、市場介入の効果は、持続せず円相場は再びじりじりと円安が進行。10月12日には1ドル=146円台まで値下がりし、市場介入を実施したときよりも円安になりました。
そして13日発表されたアメリカの消費者物価指数が高止まりしたことをきっかけに、円相場は、1ドル=147円台の後半まで値下がり。1990年8月以来、およそ32年ぶりの円安水準となりました。
その後も円安の流れは止まらず、20日の東京市場では節目となる1ドル=150円台まで円安ドル高が進みました。
21日の東京市場では午後5時時点で1ドル=150円47銭から49銭でしたが、その後、円安がさらに加速し、ニューヨーク市場で円相場は一時、1ドル=151円94銭まで値下がりしていました。この直後に円相場は一転して円高方向に大きく値上がりしました。
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2022-10-22 02:46:32Z
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