Search

農中理事長、「金融環境次第」で今期赤字予想1.5兆円が変わる可能性 - ブルームバーグ

農林中央金庫の奥和登理事長は21日、都内で開かれた総代会後に記者団の取材に応じ、金融環境によっては、今期(2025年3月期)の純損益が現時点での1兆5000億円の赤字見込みから、変化する可能性があるとの認識を示した。

  奥理事長は、赤字額が増える可能性があるかとの質問に「そこについては何とも。金融環境次第なので」と答えた。同氏を含めた理事7人の選任が決まったという。奥氏は職務を全うすることで責任を取るとの意向も示した。同金庫に出資する農業協同組合(JA)などの関係者に対し、損失発生の経緯や状況を説明し、迷惑を掛けたとして謝罪したことも明らかにした。

  農林中金の外債投資に伴う巨額の損失計上は、昨年の米シリコンバレー銀行(SVB)やファースト・リパブリック・バンクの破綻時と同様に、海外の金融市場の関係者に金融システムに潜むリスクを連想させた。米金利の高止まりが続いており、米国債を保有する金融機関は難しい運用を迫られている。

Norinchukin Bank Head Office After Bond Loss

農林中金の入るビル(東京・大手町)

Photographer: Soichiro Koriyama/Bloomberg

  同金庫は19日、保有する米欧の国債10兆円相当を売却して損失を確定させ、今期の最終赤字が当初見込んでいた5000億円超から3倍の1兆5000億円に膨らむとの見通しを示した。ただ、1兆2000億円規模を計画している資本増強の金額には影響しないとしていた。

  総代会に出席した関係者によると、資本増強計画や理事長らの続投について、出席者から異論は出なかった。今後も農林中金をサポートしていく姿勢だ。これについて農林中金の広報担当者は、コメントを控えた。奥理事長の報酬を4月から3割減とすることも決めたとしている。

  また、広報担当者によれば、総代会で奥理事長は財務状況について説明し、謝罪した。所要時間は午前10時半から1時間半程度だった。参加者数、質問人数などの詳細については回答を差し控えるとしている。

  鈴木俊一金融相は21日の閣議後会見で、農林中金について、米国などでの金利上昇は一定の影響を及ぼすとして、農水省と連携しながら状況を把握するとともに「適切なリスク管理体制の構築を引き続き求めていきたい」と述べた。現時点では十分な自己資本を持ち、財務の健全性は確保されていると評価した。

関連記事:

(農林中金の広報担当者の説明などを追加して更新します)

Adblock test (Why?)


https://news.google.com/rss/articles/CBMiQ2h0dHBzOi8vd3d3LmJsb29tYmVyZy5jby5qcC9uZXdzL2FydGljbGVzLzIwMjQtMDYtMjEvU0ZFVUNBVDBHMUtXMDDSAQA?oc=5

2024-06-21 03:33:21Z
CBMiQ2h0dHBzOi8vd3d3LmJsb29tYmVyZy5jby5qcC9uZXdzL2FydGljbGVzLzIwMjQtMDYtMjEvU0ZFVUNBVDBHMUtXMDDSAQA

Bagikan Berita Ini

0 Response to "農中理事長、「金融環境次第」で今期赤字予想1.5兆円が変わる可能性 - ブルームバーグ"

Post a Comment

Powered by Blogger.