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保育園に落選すればもらえる、自治体も後押し…育休給付制度に親たちも違和感 - 産経ニュース

東京都内の保育園を視察し、園児と交流する岸田文雄首相=令和3年11月(代表撮影)
東京都内の保育園を視察し、園児と交流する岸田文雄首相=令和3年11月(代表撮影)

育児休業給付の受け取り延長を目的とした保育所の「落選狙い」を巡り、やむを得ずに実践している親たちの間では、制度上の違和感を指摘する声も根強い。自治体が高倍率の保育所を案内し、落選狙いを後押しする矛盾も噴出。年度途中での入所の難しさも背景にあり、現行の育休給付期間が適切なのかも議論の余地がありそうだ。

神戸市に住む30代女性は11月下旬、落選狙いで生後9カ月になる長女の保育所を申し込んだ。市のホームページの公開情報から0歳児クラスに空きがなく、特に倍率が高いと知っていた1カ所のみを選んだ。長男(4)が通う保育園とは別のところだった。

窓口の担当者に「人気の園なので、入園したいなら複数出したほうがいい」と言われたが、断るとそれ以上は問いただされなかった。「育休延長を指南する情報はあふれていて、職場の同僚にもわざと落選した人はいる」と女性は言う。

女性は来年4月に職場に復帰予定。同時に、夫が単身赴任する自治体に引っ越すため、新居近くの保育所を真剣に探すという。落選狙いは、復帰までの間の育休給付を受け取るためだ。

女性は「(長女が1歳になる)2月入園は非現実的で、初めから入園しやすい4月に照準を合わせた方が職場復帰などの予定を立てやすい。何もしなければ給付されず、保育園に落選すればもらえる。制度の趣旨に違和感がある」と訴える。

一方、関東地方の自治体には、育休給付の延長を望む保護者から「入所保留通知書がほしい」と直接的な要望が寄せられることもある。この自治体は保護者の本音を可視化するため、入所申請の際、選考順位の引き下げを希望するかを記入してもらっているという。

別の自治体では、育休給付の延長を相談してきた保護者に定員の空きがない保育所を提示し、保留通知書を入手できるように配慮している。ただ、落選狙いの申請にも調整作業が生じるため「業務負担になっている」(担当者)という。

神戸市の女性は「家庭により、育休が1年で十分なのか、2年必要なのかが大事。今は延長の要件が保育園落選に限られるが、理由次第で柔軟に延長を認めてもいいのではないか」と強調した。

保護者の希望で育休とれる制度に 普光院亜紀さん

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2023-12-02 08:03:25Z
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