【ニューヨーク=斉藤雄太】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5日続伸し、前日比512ドル(1.4%)高の3万7090ドル24セントと1年11カ月ぶりに史上最高値を更新した。3万7000ドル台に乗せるのは初めて。米連邦準備理事会(FRB)が2024年に3回の利下げを実施する予想を示し、過度な引き締め維持で景気が急減速するとの懸念が薄れた。
ダウ平均の従来の最高値は2022年1月に付けた3万6799ドル65セントだった。S&P500種株価指数とハイテク株中心のナスダック総合株価指数はともに1.4%高で、そろって年初来高値を更新した。
米債券市場では国債利回りが急低下(価格は上昇)し、政策金利の動きに敏感な2年債利回りは4.43%と前日からほぼ0.3%低下した。1日あたりの下げ幅は米地銀破綻のあった3月中旬以来、9カ月ぶりの大きさを記録した。
長期金利の指標になる10年債利回りは4.0%程度まで下げる場面があった。対ドルの円相場は一時、1ドル=142円60銭台まで上昇した。13日の東京市場終値から3円以上の円高・ドル安が進んだ。
FRBがこの日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場の事前予想通り、政策金利の誘導目標を5.25〜5.50%で据え置き、3会合連続で利上げを見送った。パウエル議長は会合後の記者会見で「FOMC参加者は追加利上げの選択肢を排除することは望んでいない」と語ったが、その可能性は高くないとも述べ、市場は既に利上げは終わったとみる。
同時に示した四半期に一度の経済見通しでは、24年末の政策金利の予想を参加者の中央値で4.6%とした。0.25%の利下げ3回分に相当する。市場では、FRBが前回9月に示した「24年に2回の利下げ」という予想を維持するとの見方もあっただけに、より利下げに前向きになったとの受け止めが広がった。
パウエル氏は会見で、景気悪化に対して利下げ転換が遅れるリスクを問われ「そうした過ちを犯さないよう集中している」と語った。これまでの大幅利上げの効果が時間差で強まり、引き締めすぎになるリスクにも配慮する姿勢をにじませた。会見内容は「FOMCの(金融緩和に前向きな)ハト派的な転換を裏付けるものだった」とJPモルガン・チェースのマイケル・フェローリ氏は指摘する。
金利先物市場の動きから政策金利の先行きを予想するフェドウオッチによると、FRBが24年3月会合までに利下げに動く確率は前日の約4割から13日夕には8割弱に上がった。24年末までに0.25%の利下げを6回以上実施するとの予想も6割を超えた。8日発表の11月の雇用統計が事前予想より強かったことなどを受け、市場の早期かつ大幅な利下げ期待はいったん後退していたが、再び勢いづいている。
FOMCの経済見通しでは24〜25年にかけてインフレが徐々に鎮静化する一方、実質成長率は緩やかな減速にとどまり、失業率は大幅には上昇しないという軟着陸シナリオを維持した。こうした見立ても株式投資家のリスクオン(選好)につながった。
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2023-12-13 20:11:45Z
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