オーストラリア準備銀行(中央銀行)は5日、今年最後となる金融政策決定会合で政策金利を12年ぶりの高水準に据え置くことを決めた。インフレ鈍化や労働市場の軟化はこれまでの金融引き締め策が効果を発揮しつつあることを示唆している。
豪中銀はオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4.35%に据え置く決定を下した。ブルームバーグのエコノミスト調査では1人を除く全員が金利据え置きを予想していた。
据え置き決定の理由として、広範囲のインフレ鈍化傾向や2022年5月-23年11月に及ぶ引き締め波及の遅延効果を挙げた。
豪ドルは0.6%下落し、金融政策に敏感な豪3年債利回りは早い時点の上昇を消して4%を下回って取引された。
ブロック総裁は会合終了後の声明で、「インフレ率を合理的な時間枠で当局目標に確実に回帰させるため、金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかはデータやリスクの評価に左右される」と説明した。
その上で、当局として「インフレ率を目標に回帰させる確固たる決意に変わりはなく、それを達成するために必要なことを行うつもりだ」としている。
スワップ市場では、トレーダーが織り込む豪中銀の追加利上げ確率が低下した。24年上期(1-6月)中のもう1回の利上げ確率は30%足らずと、声明発表前の40%強から低下している。
サービス価格の高止まりはコアインフレ率が引き続き高めで推移することを意味するものの、豪中銀は現行の引き締めキャンペーンで慎重に利上げを進めている。米金融当局などは計5.25ポイントの利上げに踏み切ったが、豪中銀の場合は4.25ポイントとなっている。
こうした状況を反映し、市場はパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局が来年に利下げを開始することを織り込んでいるのに対し、豪中銀については追加利上げの可能性を引き続き織り込んでいる。
豪中銀の次回の金融政策決定会合は来年2月6日で、それまでには23年10-12月(第4四半期)のインフレ指標を目にすることができる。
ドイツ銀行のマクロ調査責任者、ティム・ベーカー氏は10-12月期のインフレ指標について、「豪中銀にとって極めて重要だ。鈍化が示されれば利上げ局面は終了で、そうでなければ2月の追加利上げの可能性に備えなければならない」と解説した。
豪中銀は経済のソフトランディング(軟着陸)を目指しており、ブロック総裁をはじめとする当局者はこれまでのところそれに成功を収めているといえそうだ。
当局者はまた、多くの債務を抱える資金の借り手への金融引き締めのインパクトを認識し、慎重となっている。米国では住宅ローンの大半が30年の固定金利なのに対し、豪州では変動金利が主流だ。
ブロック総裁は「経済の総供給と総需要との間に一段と持続的なバランスをもたらす上で、金利上昇が効果を発揮している」と指摘。「今回の会合でキャッシュレートを据え置くことで、金利上昇が需要やインフレ、労働市場に及ぼすインパクトを評価する時間を確保することができる」とコメントした。
原題:RBA Holds Key Rate to Assess Economy, Sending Currency Lower (2)(抜粋)
(ブロック総裁のコメントを加えるとともに、相場動向を更新します)
https://news.google.com/rss/articles/CBMiQ2h0dHBzOi8vd3d3LmJsb29tYmVyZy5jby5qcC9uZXdzL2FydGljbGVzLzIwMjMtMTItMDUvUzU2Q0s1VDBBRkI0MDDSAQA?oc=5
2023-12-05 03:39:41Z
2644650121
Bagikan Berita Ini
0 Response to "豪中銀、12年ぶり高水準に政策金利据え置き-インフレ鈍化で - ブルームバーグ"
Post a Comment