楽天モバイルが「携帯キャリアサービス」を4月8日に本格始動します。あわせて月額2980円で通話やデータ通信無制限の料金プラン「Rakuten Unlimit」も発表。また、300万名限定で1年間は同プランを無料で利用できることも明かされました。赤字覚悟の激安プランにも思えますが、注意点を含めまとめました。
●そもそも「携帯キャリアサービス」とは何か
楽天は従来から「楽天モバイル」という名称で携帯サービスを展開しています。新たに始める携帯キャリアサービスは何が異なるのでしょうか。
従来の楽天モバイルは、NTTドコモ・auから回線の一部を借りて、携帯サービスを展開する、いわゆる格安スマホ(MVNO)です。回線の一部を借りているに過ぎないため、電波の帯域をフルに使うことができず、混雑時などには通信速度が大きく低下するなどのデメリットがあります。
一方、4月8日から本格始動する携帯キャリアサービスは、自社で基地局を建設し、自社で構築した回線を利用します。格安スマホと異なり、免許を与えられた電波をフルに利用できるため、通信速度の面でも有利になります。つまり、NTTドコモ・au・ソフトバンクと同列となるわけです。
●当初はau回線を借りて全国をカバー
しかし、自前で基地局を構築する関係上、当初はどうしても基地局が疎密となり、エリア上不利となります。
そこで楽天は、まず東京・大阪・名古屋の3大都市でエリアを整備し、それ以外の地域は期限付きでau回線を間借りすることで、全国展開を実現しています。
●料金は音声・データ無制限で月2980円、しかも300万人は1年無料
料金プランは1つのみ。月2980円で通話やデータ通信無制限の「Rakuten Unlimit」を提供します。海外でのデータ通信も2GBまでは無料です。加えて、300万名限定で1年間は同プランを無料で利用できます。
●お得なのは「東京・大阪・名古屋在住者」だけ?
『月額2980円で通話やデータ通信が無制限』というのは、一見すると魅力的です。しかし、それは楽天回線に限定した話。au回線の利用は月2GBの制限が設けられています。
東京・大阪・名古屋の三大都市以外では、前述のエリアの関係上、当面はau回線に切り替わります。また、3大都市内でも、屋内などau回線に切り替わる場所もあります。つまり、未だ整備途上の楽天回線エリアにずっと身をずっと置かない限り、無制限にはなりません。
楽天は速やかに自社回線を拡充するとしていますが、当面はこの状況が続くものと思われます。なお、au回線の容量は500円で1GBを追加できます。
●iPhoneは正式には非対応
楽天では正式開始時点で十数機種の対応スマートフォンを用意しますが、それらはすべてAndroid端末。日本のシェアの半数を占めるiPhoneは含まれていません。また、他キャリアのユーザーが楽天のサービスをフルに利用する場合、ほとんどのケースでスマホを買い替える必要が生じます。
なお、楽天モバイルの広報担当者は、iPhoneへの対応予定について『現時点では申し上げられることはない』とコメント。対応時期は不透明です。
●申し込み方法
申し込みは、新規ユーザーを対象にWEBページにて受付中。店舗では3月4日より開始します。
他社からMNPで転入するユーザーと、既存の楽天モバイル(格安スマホ)ユーザーについては、4月8日から受け付けます。
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2020-03-03 10:01:46Z
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