福島市のJR福島駅で2日早朝に東北新幹線の線路の工事車両の油が漏れたトラブルは、新年度を迎えて移動する人や春休みの観光客の足を直撃した。東北・秋田新幹線は東京―仙台間、山形新幹線は東京―福島間の上下線などで昼過ぎまで運転を見合わせ、約4万3500人に影響が出た。東北新幹線は今年に入ってトラブルが相次いでおり、利用客からは安全運行を求める声が上がった。【松本ゆう雅】
JR東日本によると、2日午前5時5分ごろ、夜間工事後に線路の安全確認を行う工事車両が走行中に故障した。エンジン付近のエンジンオイル給油口の接続部分から油が漏れたとみられ、広い範囲にわたって線路に油の付着が確認された。
JR東は福島―白石蔵王間で拭き取り作業などを行い、午後0時半に全線で運転を再開。東北・秋田・山形新幹線は計76本が運休し、計20本に最大5時間32分の遅れが出た。JR東は工事車両を保守基地に移し、油漏れについて詳しい原因を調べている。
福島駅では、運行情報を確認したり、切符の払い戻しを求めたりする利用客らが窓口に列を作った。県内の実家に帰省していた那覇市の40代女性は「羽田空港から午後1時の飛行機で沖縄に帰る予定だったが、キャンセルした。明日も仕事が入っていたが、休まないといけない。困ってしまう」とため息をついた。
5歳の孫を連れて山形県米沢市に向かう予定だった福島市の男性(70)は「孫の好きな新幹線に乗って出かけるつもりだった。運行状況がわからず、予定を変更するか迷っている」と困惑した様子だった。
今年に入り、東北新幹線は3月6日に郡山駅(福島県郡山市)で列車が約500メートルにわたってオーバーランするなど、運転を見合わせるトラブルが頻発している。この男性は、JR東に対し「トラブルが続いているので心配。車両点検などで再発防止に取り組んでもらいたい」と注文を付けた。
東北新幹線 今年発生した主なトラブル
1月23日 大宮―上野間で重りと架線をつなぐ部品が折れて列車と接触
3月 6日 郡山駅で、列車が約500メートルにわたってオーバーラン
29日 大宮―小山間で架線に木の枝が引っかかり、正常に送電できない状態になるトラブルが発生
4月 2日 福島駅で、夜間工事の車両に油漏れの故障が発生
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2024-04-03 06:00:00Z
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