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紅麹原料製造の小林製薬工場、床にこぼれた材料使って加工も…「食品用で健康被害とは関係ない」 - 読売新聞オンライン

 小林製薬(大阪市)が「 紅麹べにこうじ 」成分入りサプリメントを巡る健康被害を公表してから、12日で3週間。原料の一部からは、青カビ由来で毒性があるとされる天然化合物「プベルル酸」が検出されており、原因となった可能性がある。混入の経緯は不明で、焦点となっている工場の衛生管理の実態解明が待たれるが、原料の製造工程ではトラブルが相次いで発覚している。

 紅麹原料を製造していたのは大阪工場(同市)。1940年の操業開始で老朽化が進み、昨年12月に閉鎖されている。同社の紅麹原料はサプリ用と食品用がある。いずれも5、6人の同じ従業員が製造を手がけ、製造工程や使う機器も同じだが、コメを発酵させる紅麹菌の株が異なる。そのため交互に機器を使い、使用後は清掃をしている。プベルル酸は昨年4~10月に製造したサプリ用の一部から検出された。

 従業員に対しては、月1回以上の衛生管理教育を行っており、工場内では管理者が定期的に巡回して衛生状態を確認していたという。同社は「衛生環境に問題があったとは考えていない」としているが、厚生労働省と大阪市は今年3月30日、食品衛生法に基づき大阪工場に立ち入り検査を実施。衛生管理の実態などについて詳しく調べている。

 製造工程では少なくとも2件のトラブルがあった。最初に判明したのは原料の前段階の材料を培養するタンクを温める温水がタンク内部に混入した事案だ。さらに、読売新聞の取材に対し、同社は昨年4月、床にこぼれた材料を使って食品向けの紅麹原料を製造していたことを明らかにした。

 同社によると、従業員が培養した材料を混ぜ合わせる機械の蓋を閉め忘れ、床に33キロの材料が散乱。このうち、床や機械に触れていない11キロをすくい取って使い、120キロ分の食品向け原料に加工し、5月末に取引先6社に納品したという。

 その後、社内で対応について議論となり、6月1日に回収を決定。原料119キロを回収したが、残る1キロはうち1社がそのまま使った。小林製薬は出荷前に異物混入などを検査しており、「品質には問題がなく、取引先にも納得してもらっている。毎回、消毒をしており、食品用で健康被害とも関係ない」と説明している。

 だが、同社の衛生管理を問題視する声もある。東京大の唐木英明名誉教授(薬理学)は「食品を扱う工場として適切な衛生管理ができていたのだろうか。原因究明に向け、過去の衛生環境のトラブルは積極的に公表し、検証する必要がある」と指摘する。

 厚労省によると、健康被害により10日までに5人が亡くなり、221人が入院。医療機関の受診者は1321人で、小林製薬への相談件数は約7万件となった。

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2024-04-11 20:00:00Z
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