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NY原油下落、88ドル台に ウクライナ侵攻前の水準 - 日本経済新聞

米テキサス州の原油生産設備

【ヒューストン=花房良祐】4日の米国市場でWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格は1バレル88.54ドルと前日比2.3%安で取引を終え、2月のロシアによるウクライナ侵攻前の水準まで低下した。欧米の利上げや景気減速懸念で原油需要の先行きに対する不透明感が強まった。

米国のガソリン価格も低下している。全米自動車協会(AAA)によると4日のレギュラーガソリンの全米平均は1ガロン(3.8リットル)4.139ドルで、初めて5ドルを上回った6月上旬から低下傾向。バイデン大統領も短文投稿サイト「ツイッター」で価格の下落をたびたびアピールしている。

4日は英イングランド銀行(中央銀行)が利上げして英景気の先行きに慎重な見方を示したことなどで原油が売られ、一時87ドル台まで下げる場面もあった。3日公表の米国の石油在庫統計は上昇して需要の弱さが意識されており、景気の先行きを占う上で5日公表の米雇用統計に注目が集まっている。

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどで構成する「OPECプラス」は3日に増産を決めたばかり。増産幅はわずか日量10万バレルだったが、それ以上に相次ぐ欧米の中央銀行の利上げに伴う世界の景気後退懸念が台頭した。

バイデン政権が大幅増産を期待していたにもかかわらずOPECプラスが小幅増産にとどめたのは原油の「需要破壊(デマンド・デストラクション)」が起きているとの見方が浮上しているためだ。ウクライナ侵攻直後は供給不安が一時強まったロシア産原油も足元では大きな混乱なく取引されているという。

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2022-08-04 19:56:32Z
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