パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が発した最新のタカ派メッセージは、ハイテク株と米国債利回りの「闘い」に新たな局面をもたらすかもしれない。米国の超大型株に再び大挙して押し寄せていた資産運用者には打撃となる恐れがある。
パウエル議長は26日、カンザスシティー連銀が主催するワイオミング州ジャクソンホールでの年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)で講演を行い、インフレ抑制に向けた利上げ継続への決意を表明。これを受け、同日の米株市場ではハイテク銘柄中心のナスダック100指数が週間ベースで6月10日終了週以来最大の下げを記録した。
ハイテク株の長期強気派を含むポートフォリオマネジャーらは、金利に敏感なハイテク株のさらなる下落リスクを見込んでいる。世界的に物品やサービスの価格が高止まりしている状況を踏まえ、パウエル議長が政策の「脅し」を実行に移すことを警戒しているのだ。
投資家の一部は、米10年債利回りが6月に接近した3.5%の大台を再び試し、さらに4%まで上昇する可能性に身構えている。そうなれば、弱気相場の底から20%余り反発したハイテク株には新たな打撃となる。
ラッファー・テングラー・インベストメンツの最高投資責任者(CIO)、ナンシー・テングラー氏は「もし利回りが3.5%まで再び急上昇すれば市場を揺るがし、特にハイテク株には大きな痛手になる」と指摘。「4%となれば、株式市場全体が変化し、再調整することになる」と語った。
ジャクソンホール会合でパウエル議長が「歴史は、早急過ぎる政策緩和を強く戒めている」と述べ、引き締め施策を「一定期間」維持する方針を示したことが26日の市場を揺さぶった。金利先物市場では一時、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での64ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げが織り込まれた。講演前は59bpだった。
ただ、パウエル議長が利上げで経済成長が損なわれる可能性を示唆したことで売却の矢面に立たされたのは株式市場だった。10年債利回りがおおむね安定して推移した中でもナスダック100指数は4.1%の大幅安を演じた。
テクノロジー企業は一般に、将来の利益見通しで評価されるケースが多いため、金利上昇懸念に特に影響を受けやすい。将来の利益の現在価値は、金利上昇に伴い目減りするからだ。
金利上昇は資金調達コストも高める。アップルやマイクロソフトなどのような手元現金の潤沢な企業には問題にならないが、急成長を追求して資金を消耗している新興企業にはリスクを高める。
10年債利回りは26日に3%前後で推移した。8月初めは2.57%付近だった。
ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントのポートフォリオ・マネジャー、ショーン・サン氏は「投資家はハト派転換を求めているが、インフレ率が鈍化するまではそれはかなわない。確かにインフレはピークに達したが、意味のある形で下がる必要がある」と指摘。「米金融当局がそれに向けてさらに積極的に利上げする必要があるなら、10年債利回りは3.5%前後になると予想される。こうした移行がハイテク株に苦痛を伴わないとは到底言えないだろう」と語った。
サン氏はさらに、ハイテク株のエクスポージャーを維持する考えの投資家に対し、情報技術(IT)サービス企業の株を買うよう推奨する一方で、利益が出ておらず中長期で投資する新興ソフトウエア企業などは避けるべきだとした。
原題:
Just as Wall Street Piles In, Tech Stocks Face Fresh Rates Storm(抜粋)
(第6段落以降を追加して更新します)
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiQ2h0dHBzOi8vd3d3LmJsb29tYmVyZy5jby5qcC9uZXdzL2FydGljbGVzLzIwMjItMDgtMjgvUkhDNlJTRFdYMlBTMDHSAQA?oc=5
2022-08-28 19:36:00Z
1539871078
Bagikan Berita Ini
0 Response to "ハイテク株に再び迫る金利上昇の嵐、FRB議長の決意表明で - ブルームバーグ"
Post a Comment