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ソフトバンク5GにOPPOが加わった理由――菅野モバイル事業推進本部長に聞く - ケータイ Watch

 5日、ソフトバンクが発表した「SoftBank 5G」で、料金や新機種もあわせて案内された。

 4Gの料金に加えて5G用の料金を支払う形態が採用されるも、その5G基本料1000円は2年間無料のキャンペーンが実施される。

 一方、新機種では、シャープ、LG、OPPO、ZTEというメーカーの製品がラインアップされた。ただ、ソフトバンク向け製品も過去多く用意されてきたソニーのXperiaがないことに、SNSでは戸惑いの声も挙がった。

 料金や端末、販売の在り方など、ソフトバンク常務執行役員 プロダクト&マーケティング統 括 モバイル事業推進本部 本部長 兼 コンシューマ事業統括 新規事業開発室室長の菅野圭吾氏に聞いた。

菅野氏

OPPOがラインアップに加わった理由

――4機種が用意されることになった。そのラインアップの狙いは。

菅野氏

 大枠のコンセプトとして、価格やスペックを踏まえ、「安定感のある機種」と「ちょっと新しいもの」を投入したいと考えました。その軸で議論した結果、安定感ある機種として「AQUOS R5G」です。安定した形で喜んでいただけるかなと。

AQUOS R5G
V60 ThinQ 5G

 あわせて今回、コンテンツを十分楽しめる機種として2画面の「V60 ThinQ 5G」をラインアップに加えました。

 その上で、新たなパートナーを呼び込もうということで、OPPOさんを選択しました。

ZTE Axon 10 Pro 5G
OPPO Reno3 5G

――確かに今回のラインアップではOPPOは注目されるところです。

菅野氏

 実はOPPOさんが、日本市場への参入時点からずっとお話をしてきて、「良いタイミングが来たらぜひやりましょう」と言っていたんです。

 今回、5Gの新しいものを出せる、というタイミングで投入することになったのです。新しさ、そして5G端末のなかでも、ある程度ユーザーの手元にいきやすい形を目指すことになったのです。

――5日午前の発表では、Reno3 5Gについて榛葉淳副社長が「驚くような価格で、低価格で5Gをお楽しみいただく」と語っていました。どの程度のインパクトになりますか。

菅野氏

 価格については、今の段階では非常に難しいです。しかし我々にとっても初挑戦なので……とはいえ正直、どれくらいの数をやれるか(どの程度の販売数になるか)、まだ見えてないです。今後、どんどん拡大していこうと思います。

 今後については、ほぼほぼ、早々に5G端末だけになってくるかなと思っています。その段階に向けて、価格競争力や技術など全てを見たときに強みを持つパートナーと話をしておく必要があるかなと。

――今回の4機種で十分ですか? もっと揃えたかったですか?

菅野氏

 はい、もっと揃えたかったです。今回はあくまでスタート時点でのラインアップです。今後拡充していきます。サービス開始当初の限られたネットワークのなかで、この機種数はさほど遜色あるものではないと思っています。

――今回、5G対応機種は全てSub-6(6GHz帯以下の周波数)対応機種ですが、ミリ波も今後、展開されますか?

菅野氏

 はい、まだミリ波は活用していません。コンシューマー向けなのか、法人限定なのかを含めて検討していきます。

G8Xはなぜ安かった?

――5G端末ではないのですが、以前出たLTE端末で、明らかに安すぎるものがありましたよね。

菅野氏

 我々にとって、LGさんのスマートフォンを導入するなかで、ユーザー基盤を構築していこうと思い切った価格にしたのです。

――今回の5G端末のラインアップでは、どの程度引き継がれるのでしょうか。

菅野氏

 彼らの中での価格、ソフトバンクへの納入価格に左右されますので、今回のラインアップにどの程度影響するかは、今の時点ではわからないです。

Xperiaがない理由と夏モデル

――今回のラインアップにXperiaが含まれていませんが、その理由は。

菅野氏

 発表会中継へのコメントで、Xperiaに関するものを多く目にしましたが、今回、5Gのスタート地点では「AQUOS R5G」「ZTE Axon 10 Pro 5G」「LG V60 ThinQ 5G」「OPPO Reno3 5G」の4機種です。ここに安定感と新しさがはっきり出ていると自分たちは思っています。

 一方、ソニーさんの機種については、いつになるかはわかりませんが、次回という形で、継続的に取り組ませていただきたいなと思っています。

――今回の新機種では夏発売のものまで含まれていました。次の夏モデル発表では4G対応モデル、5Gモデルも含まれますか?

菅野氏

 今後、5Gモデルは拡充していく予定です。今回、発表に間に合った4機種という形です。

――夏モデルに4Gのみ対応機種が存在しますか?

菅野氏

 その可能性はあります。

――ということは「今回は夏モデルの前倒しではなく、5G開始に間に合った機種だけ。例年通り夏モデルはまた」ということか。

菅野氏

 はい、そうです。

――その夏モデルにXperiaが含まれるかもしれない?

菅野氏

 かもしれませんね。

5Gの基本料が1000円になった理由

――4Gの料金にプラス1000円という形です。

菅野氏

 この体系にしたのは2つ理由があります。ひとつは現在の料金プランです。メリハリプランという名前になりましたが、カウントフリーによって動画を楽しむ人の満足度は、無制限に近い形で楽しんでいただいている方が多いのかなと思っています。

 また、4Gの料金プランそのままにしたのは、ネットワークの拡がりを見てから将来的なプランを検討すべきかと思ったからです。

 このタイミングではまだ1000円、そして無料キャンペーンを打ち出したのです。

――今後、5G向けの料金プランを打ち出す際、データ通信量は無制限になるのか、○GBといったキャップを設けるのでしょうかか。

菅野氏

 2月の決算説明会で、宮内(謙社長)も申し上げていましたが、無制限プランを検討していく形になるかなと思う。どのタイミングで投入するのが良いのか、検討していきたいです。

 無制限一本でいくのかどうかはコメントできませんが、現在の料金プランはいくつもあったなかで、3つに絞りました。わかりやすくシンプルにする必要はあります。ここからさらにシンプルにするかどうか議論が必要でしょう。

――今回の月額1000円にあわせた無料キャンペーンは2年間の適用があるものの、その2年の間でも、5G向け料金プランが登場する可能性はあるということですか。

菅野氏

 はい、そうです。まずはスタート地点でのキャンペーンです。ユーザーの方々に選んでいただくものとして、何がいいのか検討していきます。今後2年間、このままで行くのは現実的ではありません。

――料金プランは、今回プラス1000円でしたが、今後も4Gの値段にプラスするという考え方になるのでしょうか。

菅野氏

 そこの設計をどうするか、集約していくかどうか、ちょうど考えています。

いかにユーザーの要望に対応するか

――今後、競合他社も5Gサービスを発表してきます。どこが競争のポイントになるのか。

菅野氏
 ちゃんとネットワークを拡充して、楽しんでいただけるサービスを提供していくということでしょうか。料金プランも、過去、大容量プランを最初に出しました。ユーザーに何が響くのか、考えていく必要があります。

 今回、メリハリプランで2GBという基準を入れたのも、使わなかった月、あるいは家族の中であまり使わないという方の声を反映させていただいたのです。家族でご利用いただくと割引が効きます。使わなかった月でも安心、という形を目指しました。ユーザーの声を聞きながらどう反映していくか、どう対応していけるのかが、競争のポイントになると思っています。

――2月に発表された「メリハリプラン」はなぜ、他社対抗となる60GBという容量にしなかったのでしょうか。

菅野氏

 動画サービスのカウントフリーを採り入れていますので、ブラウジングの利用を含めても50GBで十分だろうと判断しました。

 意外とユーザーさんは、ご自身が利用する動画サービスの種類がさほど多くないようなのです。もちろんいろんなサービスを使う方もいらっしゃいますが……動画を利用する方自体が多いので、カウントフリーを価値として、料金プランを提案していることになります。

――ちなみに「ウルトラギガモンスター」という名前を変更して、メリハリプランにされたのはなぜなんでしょう。

菅野氏

 それが意外と知られてなかったんです。ひとつは名称の長さですね。検索ワードにもなりづらく、わかりやすい名称にしようと。

5Gサービスの今後

――ワイモバイルでの5Gサービスはどうなるのでしょうか。

菅野氏

 それは本当のところ、未定です。

――5GサービスでのSIMカードの種類は?

菅野氏

 今回発表された4機種は同じSIMカードになります。

――今後登場する5G対応機種でのSIMカードは?

菅野氏

 今後はちょっと答えを持っていないのですが、事業者としてはシンプルにしていくのは間違いないなと思います。

――Q.今後の5Gエリアは、どのような形で拡大するのでしょうか。

菅野氏

 既存の周波数が使える形かどうか、総務省さんの議論の行方が見えてくると立ち上がりが早くなるかなと。

――そうした状況が変わると、計画も書き換わるということですか。

菅野氏

 そうですね、(計画変更が)見えてくるんじゃないかと思います。

端末販売の施策について

――他社では残価設定型で、端末を購入できる新しい仕組みが登場しました。

菅野氏

 今回スタートする「トクするサポート+(プラス)」は、これまでの仕組みと比べ、プログラム利用料がなくなり、機種変更以外にポイント還元を用意しています。

 これまでの仕組みは非常にシンプルに機能しているかなと思っています。ユーザーさんの満足度を見ていても非常に高い。従来の仕組みを継続することにしました。プログラム利用料は、今回の5G対応機種からなくなっていきます。

――端末価格は今後どれくらいのレンジになるでしょうか。

菅野氏

 我々の見立てでは、どんどん価格が下がっていくのは間違いないと思っています。ただ、より価格が下がるまでは時間がかかるかなという印象はあります。

――ファーウェイ製品はいかがですか。安さと性能の良さがウリですが。

菅野氏

 個人的な想いとしては頑張っていただきたいなと思っています。

――グーグルのサービスが搭載されれば良いのでしょうか。

菅野氏

 そうですね……我々自身というよりも、お客様や、店頭でのオペレーションを考えると、iOS、Androidがあるなかで、HMSという独自のものが混ざっていくのは、正直想像できないところがあります。ショップスタッフがきちんと説明できない状態が続いてしまうと、ファーウェイさんにとっても良くないんじゃないかと、個人的には感じていますね。

――改正電気通信事業法で、スマートフォンの販売数が落ち込んでいます。何か秘策は?

菅野氏

 宮内や榛葉も口にしていますが、5Gの拡がりは産業の成長にも効果をもたらすと思っています。他国はそこを広げようと取り組んでいますよね。我々がどうやって率先していけうか、やりたいとは思いますが、まだ答えはありません。

 ただ、中国や韓国、米国は5Gを契機にIT産業周辺でさらなる成長を目指していると思います。我々も「ビヨンドキャリア」を標榜していますので、なんとかしていきたいなと思いますね

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2020-03-05 15:00:00Z
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