19日発表の平成31年公示地価で明らかになった地価の上昇には、政府が進める働き方改革や人手不足も影響を及ぼしている。女性の就労拡大による共働き世帯の増加で、マンション市場では駅から近い物件の人気が上昇。さらに企業が人材確保のために新しい働き方を提案していることが、新たなオフィス需要を生む背景にもなっている。
「かつては駅から徒歩10分を超えると敬遠されていたが、最近はそれが7分に縮まった」。三菱地所レジデンスの脇英美社長は駅に近いマンション「駅チカ」への要望がさらに高まったと実感している。
駅チカ需要は共働きで年間世帯収入が1千万円を超える「パワーカップル」が支えている。女性の就労拡大が進む中、家事や子育てと仕事の両立のために通勤時間を節約したいとの思いは男女ともに強い。共働きで世帯収入が増え、これまで手が届かなかった駅チカ物件の購入が可能になっているという事情もある。
東京都内だけでなく、全国の都市でも、駅からの距離が近いほど人口は増加する傾向があり、その需要はさらに拡大しそうだ。
また、駅チカ居住が進むと、商業施設や各種店舗も駅周辺に集中していく。この動きに対し、三井住友トラスト基礎研究所の北村邦夫投資調査第1部長は、「各地でマンションなどを取り込んだ駅前再開発が加速していくことになり、さらに人口が流入し、地価上昇につながる好循環になる」と、期待を寄せる。
労働環境はオフィス需要にも影響している。人手不足でエンジニアの争奪戦が激化しているIT産業では、各企業が給与面に加え、職場立地や快適なオフィス環境の提供で優位に立とうとしている。また、職場を固定しない働き方に取り組む企業も増え、レンタルオフィスなどの拡大が新しい需要を生んでいる。
オフィス仲介の三鬼商事によると、2月末の東京都心のオフィス平均空室率は前月比0・04ポイント低下の1・78%で7カ月連続で改善。バブル期の2年12月以来の低水準となった。働き方改革や人手不足がオフィス需要を後押ししている形だ。(平尾孝)
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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190319-00000588-san-bus_all
2019-03-19 10:18:56Z
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