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ANAが1088億円の最終赤字…4~6月期、四半期で過去最悪 - 読売新聞

 ANAホールディングス(HD)が29日に発表した2020年4~6月期連結決算は、最終利益が1088億円の赤字(前年同期は114億円の黒字)だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う旅客需要の減少が響き、四半期として過去最悪となった。経営体質の強化が急務となっている。

 21年3月期の業績予想は、「未定」として開示しなかった。

 福沢一郎常務は29日の記者会見で「(新型コロナの収束を8月としていた)前提が崩れつつある中で、確度の高い需要予測ができない」と述べた。

 4~6月の国際線の旅客数は、渡航制限などで前年同期比96・3%減の約9万人。国内線も88・2%減の約127万人と大幅減の状況が続く。

 緊急事態宣言の解除後は徐々に便数を増やしているが、政府の需要喚起策「Go To トラベル」事業から「東京発着」旅行が除外されたことが痛手となった。7月27日に急きょ、8月の運航便を減らすことを余儀なくされるなど、想定に狂いが生じている。新型コロナ感染拡大前の水準まで需要が回復するのは「国内線で21年度末、国際線で23年度末」(福沢氏)とみている。

 需要の早期回復が見込めない中、路線の見直しや保有する機材の削減・小型化などの構造改革に取り組む。過剰な機材を抱えれば、資金の流出が続くことになるからだ。

 20年4~6月期も、コスト削減に取り組んだ。積極的な減便で、燃料費や空港使用料といった変動費を計約1300億円削減した。人件費などの固定費は、夏の賞与(ボーナス)や役員報酬の削減、設備投資の抑制などにより約325億円カットした。

 7月以降もさらに上積みする。21年3月期に、4~6月期の実施分と合わせて、計約2550億円のコスト削減を行うという。雇用は維持していく構えだが、待遇の見直しや人員削減などに取り組む可能性を示唆した。

 長期的には、航空以外で収益の柱となる事業の構築も急ぐ。

 新型コロナの影響で出張需要の減少なども見込まれる。福沢氏は「需要の回復をただ待つだけでなく、質の変化に対応していく」と述べ、ビジネス需要に頼った従来のモデルからの転換を図る考えを強調した。ただ、具体的なアイデアは示さなかった。

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2020-07-29 13:13:51Z
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