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ソフトバンクグループ(SBG)は25日、都内で株主総会を開いた。焦点となったのは企業統治(コーポレートガバナンス)の強化だ。巨額赤字につながった投資の意思決定や管理について株主から質問が投げかけられ、孫正義会長兼社長は「襟を正す」と応じた。
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「私が暴走しないようにガバナンスを強化する」。孫社長は総会でこう語った。社外取締役を2人増やして4人とする議案を可決した。社外の目を増やして、孫社長の判断にブレーキを利かせる役割を担う。
新たな社外取締役には早大大学院の経営管理研究科(ビジネススクール)教授の川本裕子氏に加え、ベンチャーキャピタル経営者のリップブー・タン氏が就任した。
この総会で10年以上にわたり取締役を務めた中国・アリババ集団創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が退任。19年末には18年間にわたって社外取を務めてきたファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏も退任していた。総会に出席した40代の男性株主は「ストッパー役の存在がいなくなっている状況でガバナンスには少し不安もある」と話していた。
ガバナンスへの懸念が高まったきっかけは、投資先である米シェアオフィス、ウィーカンパニーを巡る問題だ。同社は創業者のずさんな経営が発覚し、19年秋に上場計画を撤回。資金繰り悪化から経営難に陥った。孫社長は「社内の反対を押し切って投資した私に最大の責任がある」と述べた。
2月にSBG株の取得が判明したアクティビストの米エリオット・マネジメントなどの圧力も強まっていた。同社はファンド投資がブラックボックスになっていると指摘し、情報開示の充実を、社外取締役の増員や自社株買いとあわせて要求していた。
株主総会のライブ中継で発言するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(25日午前)
SBGは保有する株式の時価から単体の純有利子負債を引いた「株主価値」を重視している。足元では23.3兆円だが、SBGの株式時価総額は11.2兆円と半分以下で、保有株に比べてディスカウント(割引)されて取引されている。
「複雑な投資活動やそれに伴うガバナンス上の課題が『ディスカウント解消』を妨げている」。SBG株を持つ国内運用会社のファンドマネジャーはこう指摘する。
SBGは破産申請した独フィンテック企業、ワイヤーカードとも関連会社を通じて提携していた。「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」の運営を担うソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズ(SBIA)が事務管理する別ファンドが新株予約権付社債(転換社債=CB)を引き受けた。
このファンドにはSBG副社長でSVFの運営責任者でもあるラジーブ・ミスラ氏らSBIA幹部が個人として出資したが、SBGやSVFは資金を出していない。あるSBG関係者は「ファンドはあくまで投資に参加していた個人がコントロールし、会社はタッチしていない」とSBGの関与を否定している。
SBGは同日、4月に完了した米通信大手スプリントとTモバイルUSの合併に伴い、7500億円の利益を計上する見込みとなったとも発表した。合併に伴い保有株の価値を再評価した結果、簿価との差額を利益計上した。
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2020-06-25 11:02:45Z
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