29日の米株式相場は反発。エコノミスト予想を上回る米経済指標が強材料となり、新型コロナウイルス感染拡大に関する懸念を相殺した。米国債は小動き。
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全米不動産業者協会（ＮＡＲ）が発表した５月の中古住宅販売成約指数は統計開始以来の大幅上昇となり、エコノミスト予想も上回った。ボーイングが７３７ＭＡＸの試験飛行開始を受けて買われ、ダウ工業株30種平均の上げを主導した。フェイスブックは朝方の下げを埋め、ナスダック総合指数の上げ幅拡大に寄与した。
Ｓ＆Ｐ500種は前日比1.5％高の3053.24。ダウ平均は580.25ドル（2.3％）高の25595.80ドル。ナスダック総合指数は1.2％上昇。ニューヨーク時間午後４時59分現在、米10年債利回りが２ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）低下の0.62％。
米国の指標が予想を上回る好転を見せた背景には、一部の州が早い段階で活動制限緩和に踏み切ったこともある。ただ、米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）のパウエル議長は、新型コロナ抑制の重要性を強調。フロリダ州では新型コロナ検査の陽性率が２桁台に上昇し、ニュージャージー州はレストランの店内飲食の許可を先送りした。世界保健機関（ＷＨＯ）のテドロス事務局長は、感染の「最悪期はまだこれからだ」との見方を示した。
ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズの調査責任者トム・リー氏はブルームバーグテレビジョンに対し、「投資に回されていない資金がかなりある」と指摘。四半期末で若干のポートフォリオ調整が見られ、相場の軟調が短命に終わるとの見方をいくらか支持していると話した。
為替市場ではドル指数が続伸。月末のポートフォリオ調整がドルを支えた。良好な米経済指標が出る中、新型コロナ感染者の増加も見極める展開だった。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1％上昇。約１カ月ぶりの高水準に達した。ドルは対円で0.3％高の１ドル＝107円58銭。ユーロは対ドルで0.2％高の１ユーロ＝1.1242ドル。
ニューヨーク原油先物相場は大幅反発。新型コロナ感染の再拡大が需要を損なうとの懸念がある一方、予想を上回った米中古住宅販売成約指数の影響で買いが優勢となった。
ニューヨーク商業取引所（ＮＹＭＥＸ）のウェスト・テキサス・インターミディエート（ＷＴＩ）先物８月限は、1.21ドル（3.14％）高い１バレル＝39.70ドルで終了。ロンドンＩＣＥの北海ブレント８月限は69セント上昇の41.71ドル。
ニューヨーク金先物相場は小じっかりで引けた。一部で経済改善の兆候が見られるものの、米国の新型コロナ感染拡大を投資家は重視。金価格は、2011年末以来となる1800ドルの大台にじわじわと接近している。
ニューヨーク商品取引所（ＣＯＭＥＸ）の金先物８月限は90セント（0.1％未満）上げて１オンス＝1781.20ドル。このままなら四半期ベースで４年ぶりの大幅上昇に向かっている。
原題：S&P 500 Erases June Losses After Record Home Sales: Markets Wrap（抜粋）
Dollar Near 1-Month High on U.S. Data, Virus Count: Inside G-10（抜粋）
Oil Futures Advance as Signs of Economic Recovery Offset Virus（抜粋）
Gold Holds Within Sight of $1,800 as Infections Top 10 Million（抜粋）
(第４段落以降に市場関係者のコメントなどを追加、相場を更新します)
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2020-06-29 21:51:00Z
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