
ホンダは9日、社内ネットワークシステムがサイバー攻撃を受けたと明らかにした。8日に大規模な障害が発生し、原因を調べていた。この影響で同日、米国やトルコ、インドの計7工場の生産が停止した。このうち3工場の再開時期は未定としている。自動運転技術といった機密情報などの流出は確認されていないとしている。
同社によると、社内システムの障害は8日午前9時ごろに発生した。調査したところ、社内のサーバーに外部から侵入されてウイルスが拡散していたことが判明した。10日には復旧する見込み。誰がどのように不正にアクセスしたかなどの詳細な経緯は、「セキュリティー上、答えられない」(広報)としている。
サイバー攻撃の影響で、自動車をつくる米国の全5工場とトルコの1工場、二輪車を生産するインドの1工場が8日、生産できなくなった。米国の4工場は9日に再開、ほかの3工場の再開のめどは未定という。停止が続く米国のオハイオ工場では、生産ラインを管理するシステムにも障害が起きているという。米国やカナダでは8日、コールセンターの受付やリース契約の業務もできなくなった。
国内ではサイバー攻撃直後の8日午前、自動車や二輪車をつくる4工場で「完成車検査システム」が動かず一時、出荷を見合わせた。8日夕に復旧し、生産自体への影響はなかった。9日は通常通りの操業だったという。
本社や工場の間接部門では8日午前からシステムに接続できなくなり、社員から電子メールなどが使えなくなったとの報告が相次いだ。ホンダは、被害の拡大防止のために同日午前11時ごろから全社員に社有パソコンの使用を制限した。9日は間接部門を中心に有給休暇を取るよう求めた。新型コロナウイルスの影響で在宅勤務を続ける多くの社員は、パソコンなしでは仕事にならない状況だったという。(稲垣千駿)
ホンダで8日に発覚した大規模なネットワーク障害の原因について、同社は9日夕、サイバー攻撃によるものと朝日新聞の取材に認めた。
詳細は明らかにされていないが…
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2020-06-09 11:01:00Z
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