関西スーパーマーケットとエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)傘下の食品スーパー2社との経営統合を巡り、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は14日、統合手続きの差し止めを求めるオーケー(横浜市)の許可抗告を棄却する決定をした。オーケー側の主張を退け、臨時株主総会での経営統合の議決は有効と判断した。
最高裁決定を受け、オーケーは同日、関西スーパーの買収を断念すると発表した。関西スーパーを巡る4カ月に及ぶ争奪戦は決着することになる。関西スーパーと食品スーパー2社(イズミヤ、阪急オアシス)は、15日に経営統合に向けて株式交換をする方針。
最高裁は決定理由で「議決権行使者の意思が議案に賛成するものであることが明確であったなど、二審が認定した事実関係の下では、二審の判断は結論において是認できる」とした。
法的紛争の発端となったのは、10月29日にあった関西スーパーの臨時株主総会に出席した1人の株主(法人株主の代表者)の行動。同社とH2O系スーパー2社の株式交換議案について、事前に「賛成」の議決権を行使していたが、出席した総会では「棄権」を意味する白票を投じた。
投票締め切り後に本人が申告し、関西スーパーは「棄権」とした票を「賛成」と修正した。議案は、出席株主の「3分の2」という条件をわずかに上回る66.68%で可決された。オーケーは「票の集計に疑義がある」と主張し、統合手続きを差し止める仮処分を神戸地裁に申請した。
11月22日の神戸地裁決定は「議場閉鎖の解除後は、軽微かつ形式的な誤りだったとしても訂正できない」などと指摘。票の取り扱いが修正された議決を「法令違反または著しい不公正がある」とし、統合手続きの差し止めを認めた。
これに対し関西スーパーが不服を申し立てた抗告審では、大阪高裁が「株主の意思が投票用紙と異なっていたと明確に認められる」と判断。白票を投じたのは誤認によるもので、株主の意思を考慮すれば賛成票として扱うことは許容されるとして、一転して議決の有効性を認める判断を示していた。
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2021-12-14 06:11:46Z
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