欧州中央銀行(ECB)は15日、0.5ポイントの利上げを発表した。ラガルド総裁はユーロ開始以来最悪のインフレの沈静化に向けて同様の利上げがしばらく続くと投資家に警告した。
2回連続の0.75ポイントに続く今回の利上げで、中銀預金金利は2%となった。利上げ幅はエコノミスト予想に一致した。ECBはさらに「大幅に」金利を引き上げると表明。約5兆ユーロ(約730兆円)に上る保有債券のポートフォリオ圧縮を来年3月に開始することも発表した。
ラガルド総裁は記者会見で、今回の利上げ幅が前回より小幅だったことを「ECBの政策転換だと考えるのは誤りだ」とし、「0.5ポイントのペースが一定期間続くことを見込むべきだ」と述べた。「まだ先へ進まなければならない。これは長期戦だ」と語った。
短期金融市場が織り込むECBの利上げ見通しは上昇し、中銀預金金利が来年に3%でピークになると想定した。発表前は2.93%だった。
ラガルド総裁は、金融市場はインフレ抑制に必要な利上げ幅を適切に織り込んでこなかったと述べた。
ECBは過去に景気刺激を目的に購入した債券の保有を減らす計画の概要も明らかにした。利上げを補強する政策措置として量的引き締め(QT)を開始する。発表によると、4ー6月(第2四半期)には資産購入プログラム(APP)の下で購入した債券の保有を月平均150億ユーロ減らす計画。それ以降のペースについてはまだ決定していない。
米連邦準備制度とイングランド銀行(英中銀)に続いてECBが利上げペースを鈍化させたことは、インフレが少なくともピークに近いとの見方を反映している可能性がある。11月のユーロ圏インフレ率は1年半ぶりに低下した。また、ユーロ圏経済は恐らくすでにリセッション(景気後退)入りしている。
ECBは既に設立以来最も急速な利上げを実施してきたが、引き締めを継続する姿勢は明瞭で「米当局と比べれば、より長い道のりが残っている」と総裁は述べた。
この日発表されたECBの最新の経済予測は、依然として状況が厳しいことを確認した。それによれば、2023年の成長率はわずか0.5%にとどまる見通し。一方、向こう2年のインフレ予想は引き上げられ、25年も引き続き2%を上回ると見込まれた。
投資家にとっていまや主要な問題は、ECBの金利が最終的にどこまで上がるかだ。これについて政策委員会メンバーは、堅く口を閉ざしている。政策発表前にブルームバーグが実施したエコノミスト調査では、利上げはあと1回だけ2月に行われて2.5%になるとの予想が示されたが、ラガルド総裁は「利用可能な情報に従うと、2月と恐らく3月にも0.5ポイントの利上げが示唆される」と語った。
原題:ECB Hikes by Half Point as Lagarde Warns of More Such Moves (4)(抜粋)
(ラガルド総裁のコメントなどを追加します)
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2022-12-15 13:41:14Z
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