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暗号資産の交換業者FTX、業界最大級の経営破綻…債権者10万人・負債数兆円か - 読売新聞オンライン

 【ニューヨーク=小林泰裕】暗号資産(仮想通貨)交換業大手のFTXトレーディング(本社・バハマ)が11日、米連邦破産法11章の適用を申請し経営破綻した。米メディアによると、FTXの債権者は10万人以上、負債は数兆円に上る可能性がある。暗号資産業界では最大級の破綻とみられ、業界への信頼を揺るがす事態となっている。

 FTXは2019年に創業。30歳のサム・バンクマン・フリード前最高経営責任者(CEO)は若きカリスマ経営者として注目を集め、多彩な暗号資産関連商品を開発して投資家の関心を集めた。

 著名なスポーツ選手らとスポンサー契約を結ぶことで利用者を拡大し、瞬く間に世界有数の暗号資産交換業者に成長。ソフトバンクグループ傘下のファンドも約1億ドルを出資していた。

 状況が一変したのは今月2日。暗号資産専門のニュースサイトがFTXの財務面の問題を指摘したことが発端だった。信用不安から投資家が一斉に資金を引き揚げ、わずか9日で資金繰りに行き詰まる。同業による救済買収も破談になった。

 FTXの信用不安が連鎖し、暗号資産の代表格であるビットコインは今月に入り一時1万5000ドル台まで下落した。ピークだった昨年11月の約4分の1の水準だ。米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な金融引き締めで投資家離れが進んでいた暗号資産業界にとって、今回の破綻はさらなる打撃となりかねない。

 「非常に残念だ。FTXとの関係を終了する措置を直ちに講じている」

 米プロバスケットボール協会(NBA)のマイアミ・ヒートは11日、FTXと本拠地の命名権契約を打ち切る方針を明らかにした。

 自動車レース・F1世界選手権のメルセデスもFTXとのスポンサー契約を打ち切る方針と報じられている。米大リーグの大谷翔平選手もFTXのCMに出演していた。

 米メディアによれば、FTXは顧客資産を流用し、グループ内で不適切な資金管理をしていた可能性がある。米ブルームバーグ通信は、米証券取引委員会(SEC)がFTXの取引に違法性がなかったか調査を始めたと報じた。

 影響は日本にも及ぶ。金融庁は10日、日本法人のFTXジャパン(東京)に一部業務停止命令を含む行政処分を出し、顧客が預けている資産の保全を求めた。

 同社の前身企業の21年9月期の決算情報によると、顧客からの預かり資産は円が約49億円、暗号資産が約173億円に上る。FTXジャパンは10日付で利用者に対し「預かり資産に関しては当社において全額保全されている」と通知。12日にはツイッターで、円の出金額は11日夜時点で約18億円に上り、「通常通り処理されている」と説明した。

 ただ新規の口座開設や現物取引、入金などは停止しており、暗号資産の引き出しも止めたままという。破綻を受けて今後の対応に影響が出るかは不透明だ。

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2022-11-13 12:45:04Z
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