欧州中央銀行(ECB)当局者らは1月の政策委員会で、景気に関する過度の楽観に対して警鐘を鳴らしていた。新型コロナウイルス感染が広がる前から既に、警戒感を抱いていたことが1月22、23両日の政策委員会の議事要旨で明らかになった。
同会合時には第1段階の米中貿易合意が発表され英国の欧州連合(EU)離脱に関する不透明感が後退、経済指標にも安定化の兆しが見られるなど明るい要素が重なっていたが、当局者らは楽観的な論調が市場金利を押し上げ、ECBの緩和措置の効果を弱めることを懸念した。
ECBが20日公表した議事録によると、当局者らは「前向きなリスク評価は回復への自信を育み、景気を後押しする可能性があるが、経済についてのより楽観的な見通しを示すに当たっては慎重さが求められる」との見解で一致した。
コロナウイルスは第1四半期の成長を圧迫へ
当局者らはまた、米中の合意によって欧州連合(EU)の輸出の一部が失われる可能性や米国とEUの間に未解決の関税問題があることを指摘し、貿易に関する潜在的な問題についても警告した。
金融政策については、マイナス金利と債券購入という現在の緩和的措置の影響を、「副作用の可能性という観点から」評価する必要があるとの認識をあらためて示した。特に金融安定へのリスクを「厳密に監視する」必要があるとした。
原題:
ECB Warned of Caution on Economy Even Before Coronavirus Hit (1)(抜粋)
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2020-02-20 14:19:00Z
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