山形県では21日時点でのレギュラーガソリンの県内での平均小売価格が1リットル当たり189.4円と、4週連続で過去最高値を上回り、県内のガソリンスタンドでは1リットル当たり190円を超えているところもあります。
山形県の1世帯当たりの車の保有台数は令和2年3月時点で2.23台にのぼり、車が日常生活に欠かせない移動手段となる中、ガソリン価格の高騰は大きな打撃です。
こうした中、今月から山形市で新たに営業を始めたガソリンスタンドでは、期間限定でレギュラーガソリンなどを低価格で提供しています。
21日はレギュラーガソリンを1リットル当たり163円と、県内の平均小売価格と比べて26円ほど安く販売し、多くの客が価格が低いガソリンを求めて店を訪れました。
給油に訪れた30代の女性は「子どもがいて熱中症も怖いので、エアコンをつけて運転するしかない。ガソリン代が高いので頻繁に給油することをためらってしまう。ガソリン代だけでなく、食費も電気代も高いので、すごく困っている」と話していました。
このガソリンスタンドを経営する会社の高橋淳一取締役は「車は山形県民にとって生活必需品だ。ただでさえ価格が高騰しているガソリンを私たちの会社ではプライベートブランドとして安く提供している。利用者に少しでも喜んでもらえれば」と話しています。
山形県内のガソリン価格が全国と比べて高い要因について、石油流通論が専門の桃山学院大学の小嶌正稔教授は
▽山形県は大型の油槽所から距離が遠く、輸送費が高くなること
▽県内では人口当たりのガソリンスタンドの数が多く、1店舗当たりの売り上げが少ないため、価格を上げて利益を確保する必要があること
▽フルサービスのガソリンスタンドの割合が全国平均よりも高いことなどが影響していると分析しています。
今後の見通しについて小嶌教授は「ガソリン価格の高騰が続いているのは、原油価格の上昇と円安が進んでいることが主な原因だ。政府の補助金が9月末まで削減が続くため、卸売価格が1週間に10%ほど上がっている。この状況が続けば、レギュラーガソリンの価格が過去最高の1リットル当たり200円を超える可能性もある」と指摘しています。
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2023-08-23 08:13:19Z
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