【ニューヨーク=宮本岳則】米大統領選の投票日を迎えた3日の米株式市場は買い先行で始まった。ダウ工業株30種平均が続伸し、上げ幅は一時前日比680ドルを超えた。民主党候補のバイデン前副大統領の優勢が伝えられるなか、勝者判明後の株高を見越した動きとなっている。米長期金利にも上昇圧力がかかり、10年物国債の利回りは一時、6月以来の高さになった。
米東部時間3日午前10時50分(日本時間4日午前0時50分)時点のダウ平均は2万7535ドル付近で推移している。ハイテク株の構成比率の高いナスダック総合株価指数も続伸で始まった。投資家のリスク選好が強まり、米主要500社のうち9割が上昇。特に銀行株や資本財株など景気に業績が左右されやすい銘柄に買いが集まった。
市場関係者の間ではバイデン氏の勝利を見込む声が多い。米資産運用大手ブラックロックはこのほど米大統領選関連のメモを公表した。世論調査などからトランプ大統領の再選の道は険しいと指摘。民主党政権の誕生によって大型の財政出動が期待され、経済が支えられると述べた。仮に接戦で勝者の確定が遅れ、相場が一時的に不安定になっても「買い場」と判断した。
債券市場でもバイデン氏勝利を見込んだような動きが出始めた。長期金利の指標となる10年物国債の利回りは3日、0.88%台まで上昇し、6月以来の高水準となった。民主党はかねて大きな政府を志向しており、足元の経済対策でもトランプ政権や共和党より規模の大きい金額を示してきた。民主党が上下院とも議席の過半を握れば、巨額の財政出動を円滑に進められる可能性が高まる。景気刺激と財政不安の両面から金利に上昇圧力がかかりやすい。
外国為替市場でもバイデン氏優勢との見方からドル安が進んだ。総合的な通貨の強さを示す「ドル指数」は2日に約1カ月ぶりの高水準まで上昇したが、3日は反落した。10月までは市場では接戦による混乱が警戒されていた。投資家はいったん株式や原油先物などリスク資産を減らし、現金の保有率を高めていたため、ドル高圧力がかかりやすかった。この日は投資家が楽観ムードに傾き、再びリスクを取り始めたため、ドル売りが先行したようだ。
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2020-11-03 16:18:06Z
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