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「国家の根本修繕した」「アベノミクスで暮らしよくならず」「カギ握る後継者選び」 安倍首相辞任 専門家らはこう見る - 産経ニュース

政治評論家の屋山太郎氏(飯田英男撮影)
政治評論家の屋山太郎氏(飯田英男撮影)

 安倍晋三首相が28日、突然辞意を表明した。平成24年12月の第2次内閣発足以降、外交問題や安全保障政策、デフレ脱出に向けた経済政策など、多岐にわたる困難な国政のかじ取りを担ってきた。一方で、不祥事による閣僚辞任のほか、公文書の改竄(かいざん)なども発覚した。約7年半の歴代最長となった安倍政権について、専門家らが分析した。

■国家の根本を修繕 政治評論家の屋山太郎氏

 「外交や防衛、教育など、戦後日本が抱え続けてきた困難な課題に筋道をつけ、国家の根本を修繕した功績は大きい。時代状況を踏まえた現実路線の安定政権だったからこそ果たせたことだ。国際的に見れば、新型コロナウイルスへの対応も評価を受けてしかるべきだが、支持率の低下という結果となってしまった。突然の辞任表明の背景には、体調不良と相まって、不本意な評価に意欲を奪われてしまった面もあるのではないか。次の内閣も安倍政権の姿勢を踏襲して国政を進めてほしい」

■混乱の時代来る恐れ ノンフィクション作家の門田隆将氏

 「日本の歴史上、初めて国際社会の中心に立つ総理を持ったことは特筆される。強い政権をつくれたのはまじめな人柄ゆえ。『全力投球できなければ去る』と考えていたと思う。新型コロナウイルス対策では本来の危機管理能力を発揮できず、内心じくじたるものがあったのではないか。日米関係を強固にし米国が中国に取り込まれることを防いだ。(突然の辞任は)日本にとって大きな損失。中国が支配を強め、日本のアイデンティティーが崩れていく混乱の時代が来る恐れがある」

■アベノミクスで暮らしよくならず 経済ジャーナリストの荻原博子氏

 「安倍政権の看板政策はいわゆる『アベノミクス』だったが、結果としてわれわれの暮らしは豊かにならなかった。大きな打撃を与えている新型コロナウイルスでは、マスク配布と学校の一斉休校を行ったが根拠が乏しく、実効性にも疑問が残る。今後、経済は徐々に堪えきれなくなり、倒産やリストラが本格化してくるだろう。政治の関心は『ポスト安倍』に移るだろうが、コロナ対策と経済対策は今が正念場。政治的空白を生まないよう、一刻も早く次期首相を決めるべきだ」

■後継者選び重要 日本大学危機管理学部の福田充教授

 「新型コロナウイルス対策は今後、首相のリーダーシップのもとでワクチン接種などのオペレーションを決断、実行していく大事な時期。体調が悪く執務ができないということならば、次に引き継いで挽回するタイミングではある。安倍政権は、アベノミクスに代表される経済政策のほか、安全保障を根本から見直し、国際協調路線を築いたという成果がある。次の政権が不安定化してしまうと、経済もコロナ対策も不安定になる。後継者をどう選ぶかが、重要なカギを握っている」 

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2020-08-28 11:35:00Z
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