NECなどが出資するベンチャー・SkyDrive(東京都新宿区)は8月28日、同社が開発を進める“空飛ぶクルマ”(エアモビリティー)で日本初の有人飛行に成功したと発表した。デモフライトでのデータや課題を分析し、2023年の実用化を目指す。
デモフライトを行った空飛ぶクルマ「SD-03」は、機体の4隅に付けた8つのプロペラで、最大10分のバッテリー駆動が可能。1人乗りで、最高速度は時速40〜50km。14年に有志団体CARTIVATORと共同開発をスタートし、NECら国内企業10社から約39億円の出資を獲得。今年8月25日、国内初の有人飛行に成功した。
今後も開発を続け、23年の実用化を目指す。実用化時には搭乗可能人数を2人に拡張し、最高高度500mを時速約100kmで飛行できるようにする。サイズは全長4.0m、全幅3.5m、全高1.5m程度を見込んでいる。
SkyDriveの福澤知浩代表取締役は「蒸気機関や航空機の登場など、モビリティーの歴史は過去100年に1度大きな変革があった」とし、「2020年代はドローン、空飛ぶクルマによって、空を通じた移動が日常的になる未来を創っていく」と話す。
同社は有人飛行成功の発表と合わせ、25年に開催予定の大阪万博に先立ち、23年に大阪湾岸エリアで「エアタクシー事業」を始めることも発表した。同エリアはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や海遊館などの施設が集まる一大観光エリアである一方、交通インフラの整備が遅れており、5km程度の移動に30分以上かかる点がネックとなっている。空飛ぶクルマの導入で、これを約5分に短縮できると見込む。
数年後にはさらに航続距離を伸ばし、神戸空港や関西空港と大阪湾岸を直結させることも視野に入れる。運賃は5分ほどの飛行で4万円程度を想定。同エリアでのヘリコプター移動の半値だという。
福澤代表取締役は実用化に向けた課題について、機体の安全性の確保を挙げる。現時点ではプロペラが1つ停止しても、故障箇所をセンサーが識別し、残りのプロペラの回転数を上げることなどで水平状態をキープし、無事に着陸できるというが、実用化に向けては2人乗りの実現や風雨にも耐え得る機体開発のほか、国からの許認可も必要になる。
「(空飛ぶクルマは)かなりレベルが上がってきたが、人の命に関わる乗り物。安全性を向上させつつ、無事に事業化まで持っていくためにやるべきことは多い」(福澤代表取締役)
同社は最終的に100億円規模の資金調達を行い、26年に機体の量産を始める予定。初期の販売価格は3000万〜5000万円を見込み、その後は利用者拡大によるコストダウンも図る。
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2020-08-28 13:52:00Z
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