Facebook、顔認識の利用を中止へ プライバシーに配慮 - 日本経済新聞

【シリコンバレー=奥平和行】米メタは2日、主力SNS（交流サイト）のフェイスブックで顔認識技術の利用を中止すると発表した。数週間以内に写真に写っている人を自動で認識してタグ付けを提案するといった機能を使えなくする。利用者などの間でプライバシー侵害への懸念が高まっていることに対応する。

人工知能（AI）を担当するジェローム・ペセンティ副社長が発表した。同氏はフェイスブックにおける新たな対応について「全社的な顔認識技術の利用制限の一環」と説明している。利用中止に伴い、写真や動画を判断する際の「ひな型」として使ってきた10億人超の情報を廃棄する。

フェイスブックの1日当たりの利用者は、今年9月時点で19億3000万人だった。ペセンティ氏によると、このうち3分の1以上が顔認識技術を利用しているという。利用者はタグ付けの提案を受けたり、他人が投稿した写真に自分が写っている際に通知を受け取ったりすることが可能だった。

ペセンティ氏は顔認識技術について視覚障害者のサービス利用を手助けするといった便利な側面がある一方、「懸念が強まっている」と指摘した。現時点では利用に関する明確な規定がなく、利用範囲を狭めるのが適切と判断したとしている。

一方、本人確認に加えて詐欺やなりすましの防止などでは引き続き有用とみている。外部の専門家とも協力しながら顔認識技術の開発そのものは継続するという。

旧フェイスブックはSNSを主力事業としてきたが、「メタバース」と呼ぶ臨場感が高い仮想空間の構築や関連サービスを事業の中核に据えるため、28日に社名変更した。メタバースでもプライバシーの確保が重要な課題とみており、技術の活用を見直すことで社会からの信頼を得る狙いもあるとみられる。

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2021-11-02 23:11:46Z
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