南アフリカなどで新たに確認された変異株「B.1.1.529」は、感染力を左右する「スパイクたんぱく質」に多くの変異を持ち、新たな脅威になる可能性があるとにわかに注目されている。だが、確認されている感染者はまだ少なく、感染力やワクチンが効くのかどうかなどの情報も非常に乏しい状況だ。
B.1.1.529の感染者は、南アフリカと同国に隣接するボツワナのほか、香港でも南アフリカからの旅行者で確認されている。
この変異株の特徴は、スパイクたんぱく質にみられる変異の多さだ。欧州疾病予防管理センター(ECDC)の資料によると、30以上も確認され、アルファ株などで感染力を高める働きがあったとみられている「N501Y」もある。
スパイクは、ウイルスがヒトの細胞に侵入する道具だ。変異の入り方によっては、効率的に侵入できるようになり、結果的に感染力を高める。
スパイクの中でも、細胞の表面の分子とくっつく部分が特に重要になるが、英BBCは、デルタ株ではこの部分の変異が二つだったが、今回の変異株は10個ある点に言及している。
スパイクの変異によって、ワクチンが効きにくくなる恐れもある。
ワクチンを接種すると、スパイクを攻撃する抗体や免疫細胞が体内にできる。ただ、現状のワクチンは、中国・武漢で流行した当初のウイルスに基づいてつくられている。免疫にとって敵の姿が変われば、攻撃しにくくなることが起こりうる。
南アフリカではこの夏以降、デルタ株が蔓延(まんえん)してきた。まだデルタ株が残っている状況で、今回の変異株が拡大しだしている点も懸念点になっている。
しかし、確定的なことが言える段階ではない。
変異の数が多い少ないという…
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2021-11-26 09:56:46Z
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