トヨタの実験都市(中)
「トヨタとNTTがつくりだすスマートシティーの基盤を世界に提供していく」
昨年3月、NTTの澤田純社長は、トヨタ自動車と業務資本提携を発表した記者会見でこう意気込みを語り、豊田章男社長と握手を交わした。トヨタが実験都市「ウーブン・シティ(Woven City)」の構想を米ラスベガスで発表して3カ月のうちに、自動車と通信の巨人による日本連合が誕生した瞬間だった。
トヨタがつくる実験都市。伴走する企業や、地元の動きを3回で伝えます。
自動車産業は電動化など100年に1度とも言われる大変革に直面する。販売世界一に返り咲いたトヨタでさえ将来安泰とはいかず、新しい成長の種が必要だ。それはNTTも同じ。国内事業は盤石だが、約30年前に時価総額で世界一だった面影はない。両社が将来の柱として期待するのが、ITを活用して暮らしや仕事の利便性を高めるスマートシティーだ。トヨタは「つながる車」でも連携するNTTをパートナーとし、スマートシティーの基盤(プラットフォーム、PF)で覇権を目指す。
東京駅にほど近い大手町、丸の内、有楽町(大丸有)地区。100社を超える上場企業が集積し、約28万人が働く日本を代表するオフィス街では、街の機能を有機的につなげ、効率良く働く、という観点で地権者らがスマートシティーの事業化に取り組む。昨年7月には、国交省の先行モデル事業に採択された。地権者などでつくる「大丸有まちづくり協議会」の担当者は、「こんな街にしたいというビジョンを重視したまちづくりだ」と説明する。
例えば、大丸有で働く人が、打…
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2021-02-24 20:00:00Z
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