【ベルリン=石川潤】欧州連合(EU)統計局は2日、ユーロ圏の2020年10~12月期の実質域内総生産(GDP)が前期比で0.7%減少し、2四半期ぶりのマイナス成長に転落したと発表した。新型コロナウイルスの感染が広がり独仏などが相次ぎロックダウン(都市封鎖)を導入したのが原因だ。20年通年では前年比6.8%減で、記録のある1996年以降最大の落ち込みになった。
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20年4~6月のマイナス11.7%と比べれば小幅な落ち込みとなった。前期比年率では2.8%のマイナス。ユーロ圏経済は4~6月期に大きく落ち込んだ後、7~9月期に急回復したが、長続きしなかった。前年同期比では5.1%減で、コロナ前水準の回復は22年以降になる見込みだ。
マイナス成長の最大の原因は各国によるロックダウンだ。ドイツはレストランや商店などの閉鎖に踏み切り、フランスも夜間の外出禁止が続く。個人消費を中心に需要が押し下げられ、企業の景況感もサービス業を中心に悪化する。ただ、供給網が寸断されて工場の操業がストップした20年春と異なり、製造業などへの影響は限られている。
欧州の新規感染者数は減り始めているが、変異ウイルスへの警戒もあり各国はロックダウンの解除を慎重に進める方針。国際通貨基金(IMF)は1月、ユーロ圏の21年の成長率見通しを10月時点の5.2%から4.2%に下方修正した。ユーロ圏の1~3月の成長率も低い水準にとどまるとみられ、低迷長期化のリスクが高まっている。
頼みの綱であるワクチンの接種はEU域内ですでに始まっているが、英国や米国と比べてペースは遅い。市民全体に行き渡るのは夏以降とみられ、正常化にはなお時間がかかりそうだ。
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2021-02-02 10:36:24Z
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