<為替> ニューヨーク外為市場では、円が対ドルで一時157円台に急騰する場面があった。6月の米消費者物価指数(CPI)が予想外に下落したことを受け利下げ観測が高まり、ドルが弱含む中、政府・日銀が為替介入を実施したとの報道もあった。
円は一時2%以上上昇した。終盤のドル/円は1.81%安の158.75円。序盤には一時、6月17日以来の安値となる157.4円を付けた。
時事通信によると、神田真人財務官は11日夜、財務省内で記者団に対し、為替介入の有無について「何もコメントする立場ではない」と語った。
BofAグローバル・リサーチのG10為替戦略グローバルヘッド、アタナシオス・バンバキディス氏は「これは米CPIの鈍化と市場のドル買い・円売りポジションのスクイーズの反応だと思う」と指摘。「米ドルは全般的に下落したが、こうした動きを背景に対円ではさらに沈んだ」と述べた。
取引終盤、主要通貨に対するドル指数は0.49%安の104.45。一時、104.07と6月7日以来の水準まで下落する場面もあった。
NY外為市場:
<債券> 米金融・債券市場では国債利回りが低下した。11日に発表された米消費者物価指数(CPI)がインフレの鎮静化を示したことを受け、連邦準備理事会(FRB)が9月に利下げを開始するという観測が強まった。
2年、10年債利回りは3月半ば以来の低水準を付けたほか、20年、30年債利回りも2週間ぶりの水準に低下した。
ただ、午後に入り実施された30年債入札が低調な結果に終わったことで、利回りは下げ渋った。
6月の米CPIは前年比3.0%上昇と、伸びは5月の3.3%から鈍化し、2023年6月以来最小となった。前月比ではマイナス0.1%と予想外に下落した。前月比でマイナスになるのは2020年5月以来約4年ぶり。
レイモンド・ジェームズのマネジングディレクター(債券リサーチ)のエリス・ファイファー氏は「FRBが安心できるまでに今後何カ月ディスインフレ環境が必要か、カウントダウンが始まった」と指摘。「長期保有リスクが出てきおり、債券市場では目まぐるしい動きとなっている」と述べた。
米金融・債券市場:
米労働省が発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前月比マイナス0.1%と予想外に下落したほか、前年比の伸びも1年ぶりの低さとなった。
CMEグループのフェドウオッチによると、金利先物市場が織り込む9月の連邦公開市場委員会(FOMC)までの利下げ確率は90%超と、前日の約74%から上昇した。
米国株式市場:
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米消費者物価指数(CPI)の発表を受け早期利下げ期待が広がる中、3日続伸した。
米労働省が朝方発表した6月のCPIは前年同月比3.0%上昇と、伸びは3カ月連続で鈍化し、市場予想も下回った。これを受けて、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測が拡大したため、米長期金利の指標である10年債利回りが一時約4カ月ぶりの低水準まで低下。利子の付かない資産である金の買いが先行し、相場は早い段階で2400ドル台にレンジを切り上げた。
外国為替市場でドルが対ユーロで一段安となる中、ドル建てで取引される金の割安感も増幅し、相場の支援要因となった。
NY貴金属:
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米国のインフレ沈静化を示唆する統計の発表を好感し、続伸した。
米労働省が朝方発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前月比、前年同月比ともに5月から伸びが鈍化し、市場予想を下回った。また、6日までの週の新規失業保険申請件数もほぼ変わらずとの事前予想に反して減少。これを受け、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げに動くとの観測が一段と拡大、政策金利が引き下げられれば経済活動が活発化し、エネルギー需要が増大するとの思惑が強まった。また、外国為替市場でドルが対主要通貨で下落し、海外勢からの買いも入りやすい地合いとなった。
ただ、石油需要を巡る先行き不透明感が根強く、相場は一時マイナス圏を推移。国際エネルギー機関(IEA)はこの日公表した月報で、2024年と25年の世界石油需要の伸びについて、ともに日量100万バレルを割り込むとの見通しを示した。一方、石油輸出国機構(OPEC)は10日発表の月報で、24年は日量225万バレル増、25年は185万バレル増と、従来水準に据え置いており、双方の予測に大幅な乖離が生じている。
NYMEXエネルギー:
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2024-07-11 22:07:00Z
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