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三菱電機、空調設備検査で不正「組織ぐるみ」認める…杉山社長が引責辞任表明 - 読売新聞

 三菱電機が鉄道車両向け空調設備などで不正検査を行った問題で、杉山武史社長(64)は2日に記者会見を開き、引責辞任すると表明した。長崎製作所(長崎県時津町)の従業員30人程度の関与がわかり、「組織的な不正」と認めた。専用のプログラムを設けて検査数値を偽装する手口は、1990年に始まったことも明らかにした。

 先月29日の問題発覚後、会見は初めて。杉山氏は「鉄道事業者、鉄道を利用される皆様を始め、多くの方に多大なるご迷惑とご心配をおかけして誠に申し訳ありません」と陳謝。「新たな体制で信頼回復に取り組む」ため、2018年の就任から3年あまりで退任し、今月中をめどに後任を選ぶ考えを示した。

 元検事の木目田裕弁護士をトップとする調査委員会を設け、不正の経緯や原因を調べて9月に再発防止策を公表する。さらに社内に緊急対策室を設置し、同様の不正がほかにないか、全事業部門の調査を行う。

 三菱電機は会見で、開発段階で品質や性能を調べる「形式検査」と、出荷段階で顧客と取り決めた仕様通りかを確認する「受け渡し検査」の双方で、不正が確認されたと説明した。2016年度以降に計3回、同製作所を含めた全社対象の社内調査を行ったものの、今回の不正は把握できなかったという。

 不正が行われた背景について、杉山氏は「我々が考えた品質の水準をベースに判断していた。顧客との関係より、自分たちの論理を優先していた」と述べた。ただ、顧客との契約違反にとどまり、法令には抵触しないと強調。出荷済みの製品には「安全上の問題はない」(杉山氏)としている。

 これまでの調査で、1985~2020年に不正な検査を経た空調設備約8万4600台を約80社に納入したことが判明。車両のブレーキやドアの開閉に使う空気圧縮機では、この10年間に約1000台が納入されていたが、5年さかのぼって調べたところ対象は約20社、約1500台に増加した。現時点で同製作所の従業員約500人のうち160人超を対象に聞き取りが行われ、今後、不正に関与した人数は30人程度から増える可能性がある。

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2021-07-02 16:38:00Z
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