中国の配車サービス大手、滴滴グローバルは、中国当局の怒りを鎮めるとともに投資家の損失を補償するため、株式非公開化を検討している。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。
WSJによると、滴滴は株式公開以降の規制当局との摩擦を緩和する方法について銀行および規制当局、大株主と協議している。WSJは事情に詳しい関係者の話を基に伝えた。選択肢の一つとなり得るのが株式公開買い付けだという。
滴滴は6月30日に米市場に上場。それ以来、中国当局が同社に対する調査を発表し、国内のアプリストアから同社のアプリを排除したことを受け、公開価格に比べ株価は36%余り下落した。当局は滴滴に、新規株式公開(IPO)の延期または上場先を米国から変更するよう働き掛けていたが同社はIPOを断行したと、事情に詳しい関係者が明らかにしていた。ブルームバーグ・ニュースは先週、中国当局が強制的な上場廃止を含めさまざまな罰則を検討していると報じた。
WSJによると、株式非公開化の費用は一部または大部分を滴滴がIPOで投資家から集めた資金で賄われる見込み。公開買い付けの価格は1株当たり14ドルの公開価格前後またはそれ以上になると、関係者の1人が同紙に述べたという。
中国サイバースペース管理局(CAC)は原則として非公開化案に賛成だと、関係者の1人が述べたという。同関係者によれば、ソフトバンクグループが非公開化の資金を支援する可能性は低い。
WSJは滴滴とソフトバンクGとCAC、複数の銀行にコメントを求めたが応答はなかったという。
滴滴はその後、中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」で、非公開化を検討しているとの報道は「真実ではない」とした上で、サイバーセキュリティーについて政府に協力しているとコメントした。
原題:Didi Chuxing Says Privatization Report Is Not True、Didi Considers Going Private to Placate China, WSJ Says(抜粋)
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2021-07-29 11:12:20Z
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