三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は2019年4~12月期の連結決算で2074億円の特別損失を計上する。4月末に買収したインドネシア中堅銀行の株価が下落し、減損処理が必要になった。MUFGは会計ルールに沿って、買収金額と対象企業の純資産の差額である「のれん」を前倒しで一括償却する。
MUFGは4月29日にインドネシアのバンクダナモンへの追加出資を完了し、発行済み株式数の94%を取得した。17年12月から段階的に出資比率を引き上げており、投じた資金の総額は約6800億円に上る。
出資完了後に米MSCIの株価指数構成銘柄から外れたことなどを受けて、バンクダナモンの株価は急落。4月30日に8850ルピアだったが、12月30日の終値は3950ルピアとなった。
減損処理の判定は四半期末ごとに実施する。20年3月末の株価によって通期での特損の有無が最終確定する。減損処理の水準を上回った場合は一連の財務処理は取り消され、特別損失の計上もなくなる。MUFGの20年3月期の連結純利益は9000億円を見込んでいる。株主還元の基準となる銀行規制上の自己資本への影響がないため、配当や自社株買いの方針は変わらない。
MUFGによる取得原価の50%以下となったためダナモン株の減損処理が必要となった。財務処理の規定に基づいて、本来20年以内で均等に償却するのれんを19年4~12月期決算で一括償却することとなり、特別損失が発生した。
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2019-12-30 09:26:25Z
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