ソフトバンクグループは柳井正氏が、31日付で社外取締役を退任すると発表した。
柳井氏はファーストリテイリングの会長兼社長で、ソフトバンクGの取締役を2001年6月から務めた。ソフトバンクGの広報担当者によれば、退任は柳井氏から本業に専念したいとの意向が伝えられたためという。
米ウィーワークなど新興企業投資の失敗が表面化する中、孫正義社長と同様の経営経験を持つ社外取締役が去ることになる。ソフトバンクGの社外取締役は、日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者も17年9月に退任している。
今年6月の株主総会では、柳井氏が「僕はいつも孫さんに反対ばっかりしている」と発言。孫氏の経営手法について「夢もいいんですけどやっぱり現実の経営。これをぜひ足元をしっかり」と述べる場面があった。
いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は電話取材で、ソフトバンクGは基本的に孫氏の会社であり、柳井氏の退任も「社業には影響がない」と述べた。新たな社外取締役の選任の方が重要とも指摘した。
ソフトバンクGとファーストリテイリングはともに1994年7月の上場で、証券コードは9984と9983。ブルームバーグのビリオネア指数によると、柳井氏は日本で1位、孫氏は3位の資産を持つ。
ソフトバンクGは携帯電話事業を中心に安定した収益を上げてきたが、ビジョン・ファンドの設立を経て、投資会社としての色彩を強めている。ウィーワークや米配車サービスのウーバー・テクノロジーズなどの価値下落により、7-9月期は7000億円を超える営業損失を計上。14年間で初めての赤字となった。
(柳井氏の6月の株主総会での発言を追加しました)
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2019-12-27 07:02:00Z
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