新型コロナウイルス禍で旅行や帰省の自粛が呼びかけられたお盆休み期間は16日で最終日を迎えた。空の便の利用状況はいずれも昨年より増加したが、コロナ禍前に比べると、大幅に減少。各地の駅や空港では帰省先や行楽地からUターンする人の姿が見られたが、大きな混雑はなかった。
16日午後の羽田空港の到着ロビー。札幌に帰省していた20代の女性会社員は、「初盆ということもあり、どうしても帰りたかった。ワクチン接種を2回済ませていたが、やはり感染させてしまったらどうしようと、少し不安はあった」という。また、宮崎の実家に家族で帰省していた30代の男性会社員は、「ワクチン接種が終わり、PCR検査も受けたので、感染させてしまうという不安はなかった。孫の顔を見せることもできたので良かった」と話した。
航空各社は16日、お盆期間(6~15日)の利用実績を発表した。国内線は前年比1・4倍の173万2千人、国際線は2・6倍の5万4千人に、それぞれ増加した。だがコロナ禍前の令和元年と比べ、全日空と日航では国内線で約4割、国際線では1割弱の水準にとどまった。
大手航空会社の担当者は「ワクチン接種が進み、帰省や旅行をする人が昨年より増えた結果だろう。コロナ禍で先行きが不透明であり、今後の動向を注視したい」としている。
一方、8月14、15日の都内の主要駅周辺の人出は、緊急事態宣言前の週末(7月10、11日)に比べ、2割から4割弱の減少にとどまったことが分かった。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、東京都の人流を宣言前の7月前半と比べて5割減とするよう提言したが、「目標」には届かなかった形だ。
システム会社「アグープ」の人手データを基に、緊急事態宣言が発令される直前の週末である7月10日から2日間の午後3時台の平均の人出を100%として、増減を分析した。帰省客らでにぎわう東京駅は24%の減少にとどまり、若者が集まる渋谷センター街周辺は38%減、新宿駅周辺は36%減だった。
感染不安で自粛した人が増えたとの見方もあるが、7月10、11日は主に曇りで、8月14、15日は雨と天候の違いも人出に影響した可能性がある。東京都などは不要不急の外出自粛を呼びかけているが、訴えがどこまで浸透しているかは見通せない。
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2021-08-16 11:48:00Z
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