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温室効果ガス排出量46%削減は可能? 政府2030年公約どうする? クルマで考える削減方法とは - くるまのニュース

菅首相が、「2030年に温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量を2013年比46%にする」という公約を2021年4月22日に公表したことを受けて、政府は2030年までに充電スタンドを5倍の15万基にするという方針を打ち出しました。クルマの二酸化炭素の排出量で考えると達成出来るのでしょうか。

2030年までに温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量を2013年比46%…本当に出来るのか?

 2021年4月22日に菅首相が「2030年に温室効果ガス(二酸化炭素など)の排出量を2013年比46%にする」と公約したのを受け、政府は2030年までに充電スタンドを5倍の15万基にするという方針を打ち出した。
 
 多くの人は「電気自動車を増やせば二酸化炭素の排出量を減らせる」と思っていることだろう。確かにクルマから出る二酸化炭素は非常に解りやすい指針だと思う。

温室効果ガス(二酸化炭素など)を2030年に大幅に削減できるのか(画像はイメージ)
温室効果ガス(二酸化炭素など)を2030年に大幅に削減できるのか(画像はイメージ)

 二酸化炭素の削減は各分野の個別目標になるだろう。当然ながら走行時にクルマから出る二酸化炭素も46%減がひとつの目標になると思う(生産時に出す二酸化炭素は今回考えない)。

 しかし。2030年時点で販売されているクルマの100%を電気自動車にしても46%の削減は不可能。以下説明しましょう。

 一番大きな問題になってくるのが、日本の電力事情。自動車工業界も根拠として使っている資源エネルギー庁のデータによれば、2030年時点の電力に於ける火力発電の比率はなんと56%。

 つまり、15万基の充電スタンドを作って電気自動車を走らせても火力発電の電力を使っている限り、クルマの二酸化炭素の排出量は44%しか減らないということになります。

 もう少し詳しく書くと、資源エネルギー庁の資料を見たら20%から22%が原子力発電になると想定している。

 現在、廃炉予定の無い原発をすべて再稼働させ、そのうえで新設もしなければならない。

 この目論見は、国民感情的に実現不可能。むしろ原発をすべて廃炉にした想定が必要。原発の電力、事故を起こしたときのコストまで考えたら驚くほど高価です。

 原発の発電量をゼロと考えたら、20%から22%を火力などでカバーしなければならない。

 となれば下を見て電気自動車で使う電力の60%は火力発電になってしまう。

 こう書くと「太陽光発電の電力を使えばいい」とか「夜間の電力なら余っている」みたいな意見も出るが、それでも46%の二酸化炭素排出量削減は無理だと思う。

 解りやすく乗用車だけ考えてみたい。現在の保有台数は軽自動車含め6000万台。毎年500万台の新規登録があります。

 火力発電を含まない再生可能エネルギーや余剰電力だけで走らせる電気自動車を増やして二酸化炭素排出量を46%減らそうとすれば、6000万台ある乗用車の半分を電気自動車にしなければならない。

 では、計算してみよう。

 達成目標日は2029年12月31日。つまり2029年でいえば500万台の販売を電気自動車にしたと仮定。

 2021年の電気自動車販売台数を見ると1万5千台程度。2022年になると新型車も出てくるため5万台としましょう。

 となれば2023年から2028年の6年間で2500万台の電気自動車を販売しなければならない。年平均416万台です。

 ここまで読んでどう考えるだろうか。

 電気自動車をいくら増やしても現在のエネルギー事情では46%削減の目標はクリア出来ない。

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2021-06-02 08:11:07Z
CBMiImh0dHBzOi8va3VydW1hLW5ld3MuanAvcG9zdC8zODQ0NTfSAQA

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