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4月の輸出21.9%減、09年10月以来の落ち込み幅-米欧向け不振 - ブルームバーグ

A bulk carrier ship sits docked at a Nippon Steel Corp. plant in Kashima, Ibaraki Prefecture, Japan, on Wednesday, April 29, 2020. Japan’s industrial production fell less than expected in March but much steeper declines are likely ahead as a nationwide state of emergency shutters factories and keeps shoppers home to contain the coronavirus.

Photographer: Toru Hanai/Bloomberg

日本の4月の輸出は前年同月比21.9%減と、2009年10月(23.2%減)以来の大幅な減少となった。新型コロナウイルス感染拡大で世界的に経済活動が制限される中、米欧向け中心に自動車や関連部品などの輸出が引き続き振るわなかった。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は9304億円の赤字と、3カ月ぶりの赤字で、赤字幅は市場予想(5031億円の赤字)よりも大きかった。財務省が21日発表した。

キーポイント

  • 4月の貿易収支は9304億円の赤字(ブルームバーグ調査の予想中央値は5031億円の赤字)-前月は54億円の黒字
    • 輸出は前年同月比21.9%減(予想は22.2%減)の5兆2023億円、17カ月連続の減少-前月11.7%減
      • 輸出数量指数は21.4%減
    • 輸入は7.2%減(予想は13.2%減)の6兆1327億円、12カ月連続の減少-前月5.0%減
新型コロナで世界的に経済活動が制限

エコノミストの見方

ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査室長:

  • 輸出統計はコロナウイルスの影響を如実に表している。欧米向けが特に厳しい。感染者数が明確に増加していたときでもあり、その影響が出た
  • 最悪期はあと1、2カ月とみている。ただコロナ以前のような数字に戻るにはかなりの時間がかかる
  • 今日の統計からも日本の景気が急速に悪化していることが確認できる

バークレイズ証券の前田和馬エコノミスト:

  • 米欧のロックダウン(都市封鎖)の影響で米欧中心に輸出が大幅減少。自動車や同部品の影響が半分程度で、一般機械のマイナス寄与度も約5%と、設備投資の見送りが影響
  • 景気悪化の影響で自動車購入や設備投資の意欲が弱まり、先行きはかなり下振れリスクが強いだろう
  • 内需が弱含む中で輸入も基本下振れ方向が続くだろう。ただ輸入は食料やエネルギーなど輸出より景気変動の影響を受けにくい品目が多く、落ち込みは輸出よりは限定的にとどまるだろう

伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミスト:

  • 輸出の減少が加速していることがはっきり見られる
  • ロックダウンで3月は欧州だと上旬くらいから、米国だと下旬くらいから景気に影響が出てきた動きを反映する数字が出ている
  • 一方で中国は戻ってきている。輸入はプラスになっているし、基本数量ベースでみて輸入はプラスに転じ、輸出も3月は10.3%減だったのが2.4%減までマイナス幅が縮小している。まさにコロナの影響を受けている各国の経済情勢をそのまま反映した動き

詳細

  • 自動車の輸出は米国(65.8%減)、EU(55.8%減)、アジア(30.2%減)向けで減少
  • 4月の米国向け輸出は37.8%減、09年7月(39.5%減)以来の減少幅-財務省担当者
  • 中国向けは4.1%減、3月(8.7%減)から鈍化ペース縮小-半導体等電子部品は29.4%増

(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新しました)

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2020-05-20 23:55:00Z
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