楽天モバイルは、1月29日に新料金に関する発表会を実施し、新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」を発表した。
本記事では、発表会後半の主な質疑応答をまとめる。
質疑応答の登壇者は、同社代表取締役会長兼CEOの三木谷 浩史氏と代表取締役社長の山田 善久氏、代表取締役副社長兼CTOのタレック・アミン氏、常務執行役員兼CMOの河野 奈保氏。
――大きく値下げに踏み切ったが、損益分岐点は変わるのか。黒字化達成見込みは変わるか。
三木谷氏
損益分岐点は変わる。同プランで獲得コストや解約率が下がると見込んでおり、モバイル事業が黒字化するタイミングは変わらないと思っている。
また、楽天モバイルユーザーは楽天のほかのサービスの利用率が高い傾向にある。ほかのキャリアとは異なり、周辺部門は完璧であるため、アグレッシブなプランニングができる。
楽天モバイルは、携帯電話事業単体ではなく、「携帯電話事業」「楽天エコシステム」「RCPの世界展開」で成り立っている。
――KDDIのパートナー回線の料金の値下げを求めることはあるか。
三木谷氏
ノーコメントとさせていただきたい。
ただし、今夏までに自社回線での人口カバー率を96%にできると見込んでおり、ほとんどを自社回線でまかなえるようになる。
――今夏以降の基地局設置計画は?
三木谷氏
カバー率には、地理的なもの(エリア)と人口的なものがある。誰も住んでいない土地でも(観光などで)訪れる場所やGPSが届かないような場所などでニーズがあると思う。
地理的カバー率について、2023年末に100%となるよう引き続き基地局整備に取り組む。
――今回の料金プランについて、「1GB未満は0円」など、独禁法など法令に違反するものはないのか
山田氏
総務省にも話を通しており、問題ないとの認識。
――「スペースモバイル計画」に関して、衛星によるモバイル通信の国際ルールなどもまだ決まっていないようだが、2023年に実現する見込みはあるのか
山田氏
免許関係など超えなければいけないハードルが多いのは確か。
しかし、総務省では衛星による基地局に関するタスクグループを設置して、他社を含めて協議できており、携帯電話業界全体で取り組んでいる。
アミン氏
「スペースモバイル計画」に関して、技術面ではうまくいくと思っている。低軌道衛星を活用し日本でもユビキタスな(いつでもどこでも)接続ができるようになる。
――今夏に人口カバー率が96%を達成するとのことだが、総務省に対してプラチナバンドの再分配を要請している。本当にプラチナバンドが必要なのか?
三木谷氏
プラチナバンドは必要だと思っている。
自身も楽天回線で2回程度電波が入らなかった経験があり、路地裏など奥の方は繋がりにくい。プラチナバンドでは、(現在割り当てられている1.7 GHz帯では)カバーできなかった部分をカバーできる。
――データ容量が増えるほど同社の収益が上がるので、できればたくさんデータ量を使ってほしいと思うが、動画配信などのコンテンツを拡充するなどしないのか?
三木谷氏
個人的に、データ利用量1GB未満なら無料でいいんじゃないかと思っている。
ただ、現在はあまり使わないユーザーでも、たとえばLINEで家族とコミュニケーションを取り出したり、ほとんど使わないユーザーでも、(データ使用量は)増えてくると思う。
(特になにもしなくても)自然にデータ使用量は増えてくると予想しているので、使用量を増やす仕組みは今やる気はない。
――エリア展開について、今夏に人口カバー率96%で計画より5年前倒しになったようだが、にわかに信じられない。何か大きな出来事があったのか?
三木谷氏
既存のやり方だと2026年までかかっていたと思う。
他社が始めたときは、おそらく目視で(どこに基地局を設置するか)みていたと思う。楽天モバイルの場合は、“データをもっており”、どのあたりにどれだけの基地局の設置が必要かがわかる。また、RCPの採用で機器の数を少なくできたこと、1つ1つの基地局で行う設定をAIで自動的に設定できることで、人員を少なく工事期間を短縮できた。
また、(基地局を設置したい物件や土地の)オーナーや地主と交渉する際、楽天グループの社員も動員して行っている。他社はおそらくサブ・コントラクター(下請け)で行っているが、楽天モバイルは自社で交渉している。
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2021-01-29 12:35:30Z
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